コンテストガーデンA
Gathering of Bouquet 〜庭の花束〜
保坂悠平
(東京都)
明治大学農学部農学科を卒業。造園会社を経て、花卉小売業界に転身。バイオフィリックデザインの企画・提案に造園技法を取り入れながら、緑化事業を中心とした業務に従事する。また、設計段階から植栽計画に参画して施工監理まで携わる他、地域の多世代交流を目的としたコミュニティデザインプログラムの監修業務を担う。
【作品のテーマ・制作意図】
皆さんの日常に癒やしや潤いを届けたいという願いを込め、プランツ・ギャザリングの視点で、ガーデンをひとつの大きなブーケに見立ててデザインを構成しました。動物たちが次の訪問者のために心遣いを残していく絵本から着想を得て、あらゆる世代の方が見て触れて、香りなどを楽しめるように、花の形や手触りがおもしろいものを用いた植栽計画をしています。ぜひ手に取って、お気に入りの植物を見つけてください。たくさんの感動や気づきが新たな会話を生み、笑顔になるシーンが増えますように。
【植栽計画について】
フラワーデザインの花束を構成する際に考慮する「自然環境の中で成長している植生本来の姿や形を意識しすること」を踏まえ、本計画では草花の形状が持つ役割と全体のバランスに気をつけながら配植計画を作成しました。春のガーデンは、ナチュラルなグリーンとパステルカラーの花を中心にして構成。初夏からぐんぐんと葉の旺盛さが増し、夏のガーデンでは花色が分かりやすい鮮やかな植物を中心に構成しました。晩夏から秋では、庭全体がシードヘッドとグラスが中心になり、ナチュラルの中にどこか秋の上品さを感じられるような植栽計画となっています。
【主な植物リスト】
宿根草:エキナセア‘マグナススーペリア’/ペンステモン‘ストリクタス’/アガパンサス‘ピッチュンホワイト’/クラスペディア‘ゴールドスティック’/オルレア・グランディフローラ‘ホワイトレース’ など
グラス類:ペニセタム・ビロサム‘銀狐’/メリニス‘サバンナ’/ホルデューム・ジュバタム/カラマグロスティス・ブラキトリカ など
低木:コルヌス・ステラピンク/ビルベリー‘ローザスブラッシュ’/ニシキギ・コンパクター/コバノズイナ など
球根:チューリップ‘フレーミングピューリシマ’/レウコジャム‘スノーフレーク’/アリウム‘グレイスフルビューティ’ など
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コンテストガーデンB
Circle of living things 〜おいでよ、みんなのにわへ〜
世田谷bajicoポットラックガーデン
代表デザイナー 石野夕華(東京都)
造園会社や園芸店での勤務を経て、自身の出産のタイミングで独立。知人のお庭づくりから始まり、現在は世田谷区内の個人宅や地域子育て支援拠点おでかけひろばをメインに自転車で移動する、ちりりんガーデナーとして活動中。世田谷区立桜丘農業公園(仮)予定地の暫定利用期間に「桜丘ポットラックガーデン」の運営に従事。
【作品のテーマ・制作意図】
季節によってカラーリングが変化する植物や、実をつけて味わい深い風景を作ってくれる植物に集まる多様な生き物たち。そして各所に配置したサークルネストはそんな生き物たちの拠り所に。命の循環というキーワードをもとに植物だけではなく生きとし生けるものたちの集まる「庭」をテーマにデザインしました。人間だけに限らず、あらゆる生き物たち「みんな」にとっても楽しめる「命を感じられるガーデン」は「みんなのにわ」となり、命を循環させてゆきます。
【植栽計画について】
互い違いに築山をつくり、背丈の高い植物を配置することにより奥の植栽を目隠しする効果を出しています。S字型に配置した窪みは水捌けだけではなく空気の通り道として。区切られた築山・フラットな部分それぞれにテーマカラーを設定して、その色の花を植栽。眺める場所によって違う印象の風景を作ります。植えるのは草木や花だけでなく、味覚や嗅覚でも楽しめる実のなるものやハーブなど。風や、季節、味わいや集まる命を感じられる庭。人間だけに限らず、生き物たちにとっても楽しめるようなガーデンを考えています。
【主な植物リスト】
宿根草:バプティシア‘ブルーベリーサンデー’/アガスター‘シェゴールデンジュビリー’ /糸葉丁子草/スタキス・オフィシナリス など
グラス類:カレックス‘プレーリーファイア’/メリニス‘サバンナ’/ぺニセタム・オリエンターレ など
低木:ブルーベリー/イチジク/紫式部 など
球根:アリウム各種/チューリップ各種 など