【おひとり女子の居酒屋5】醸造所ビアホールで世界も認めたクラフトビール&BBQ料理で乾杯
●おひとり女子でも通いたくなる居酒屋を発見! 5回目は西池袋にあるクラフトビールのブルワリー『Cycad Brewing』へ。居心地の良い空間でできたてのクラフトビールとアメリカンBBQを楽しめると評判です。
仕事帰りやプライベート、おひとりさまで、友人と。さまざまなシーンで気軽に寄れる、行きつけの居酒屋を見つけたい……。そんな美味しいひとときを楽しむ女性に教えたい「おひとり女子の居酒屋」連載、5回目。
今宵は、西池袋のブルワリーからお届けします。
女子たるもの、ただお酒が飲めればいいワケではなく、何かとこだわりたい。今回ご紹介するのは、西池袋にあるクラフトビールのブルワリー兼ビアレストラン。店内にブルワリー(醸造所)があって、その場でできたてのクラフトビールが味わえると話題を呼んでいます。
カウンターのすぐ後ろにはブルワリーが
池袋西口から徒歩10分。山手通りの西池袋のランプからほど近い『Cycad Brewing(サイカド・ブリューイング)』。外観には「西池袋マート」とレトロな文字があり、オシャレな雰囲気が漂います。かつてここには西池袋マートという地元で人気の小さな市場があった場所で、その外観を残したままリノベーション。多彩なクラフトビールが楽しめるブルワリー併設のビアレストランに生まれ変わりました。
店内に入ると、大きなカウンターがあり、その背後にはガラス越しにブルワリーが見えます。こちらでは約10種類のクラフトビールが作られています。店の雰囲気も抜群で、かつての「西池袋マート」の梁やタイルを残した趣きのある造りで、ついつい長居をしてしまいそうです。
店内に併設されるブルワリー
ここでは、ホップをふんだんに使用してつくるIPA(アイピーエー)をメインに、イギリスの伝統的なビターやラガー、スタウトなど多彩なビールを製造しています。この店のオーナーはブリュワーである藤浦一理さん。アメリカ全土のクラフトビールを飲み歩いて研究を重ね、ビール関連の執筆やビールコンペティションの審査員を勤めています。1998年にアメリカで行われたホームブルワーの大会で優勝したこともある、日本のクラフトビールの第一人者です。
レジェンドブルワーと呼ばれる藤原さん
「定番のビールは特に設定しておらず、年間に50種類のビールを作っています」と話す藤原さん。店では常時10種類のビールを提供しています。人気のビールに加え、月に4種類以上の新しいビールを作っているので、来る度に新しい味に出会えそうです。
ゆっくりできるテーブル席
クラフトビールを飲み比べ。香りの違いにびっくり!
カウンターに座り本日のメニューリストをチェック、10種類のビールが並びます。また、料理はアメリカンBBQの「PHAT “Q”」が担当。同じ店内にありますが、別メニュー、別会計というシステムです。
常時10種類のビールを提供
店長の植松さんにおすすめを聞くと、本日のビールリストから2つのビールを勧めてくれました。ひとつめの「へクティア」というビールは、シムコ、シトラポップにニュージーランドの2種類のホップを加えた華やかな香りのIPAビールです。もうひとつは「ホリダス」。グアバやパインを使ったトロピカルなビールです。
タップから注がれる「へクティア」。美しく透明度のある黄金色
「ホリダス」。ヒタヒタに注がれるビールがうれしい
ビールのサイズはパイント(473ml)とハーフ(250ml)の2種類。お気に入りをしっかり楽しむならパイント、いろいろなビールを楽しむならハーフと、サイズを選べるのがポイントです。今回はしっかりと味わいたいのでパイントをオーダー。
右が「へクティア」1300円、左が「ホリダス」1350円(いずれもサイズはパイント)
2つのビールを飲み比べしてみると、香りや味の違いに驚きます。「へクティア」は豊かな香りで飲みやすく軽い口当たりで爽やか。一方、「ホリダス」は、フルーティーで甘みを感じとっても飲みやすいビール。同じブルワーで作っても、副原料が違うとこんなにも味が変わることに驚きです。いろいろ試してみて、好みの味を見つける楽しみができました。
(広告の後にも続きます)
迫力のBBQ料理とクラフトビールは相性抜群
料理を担当するのは、本格的なアメリカンBBQを提供する『PHAT “Q”(ハットキュー)』。BBQというと、日本では屋外の鉄板で生肉を焼いて楽しむレジャー的な要素の強いですが、本場アメリカのBBQはひと味もふた味も違います。料理ができるまで半日はかかる、手間暇のかかる料理なんです。
屋外にある大型スモーカー
『PHAT “Q”』ではブリスケットやスペアリブなど、本格的なアメリカンBBQが楽しめます。屋外に巨大な特注スモーカーを設置、大きな肉を塊でじっくりと焼き上げています。この肉の迫力と、スモークの香りがもうたまりません。
スペアリブ1/4(2200円税込)とビーフソーセージ(1200円税込)の盛り合わせ
さあ、BBQがやってきました! オーダーしたのはスペアリブとビーフソーセージ。まずはスペアリブにかじりつきます。スモーカーでじっくりと6時間かけてスモークした肉はやわらかく、ほろほろと身離れもよく食べやすい。余計な油が落ちたさっぱりした味わいで、肉の旨味がダイレクトに伝わってきます。
両手でかぶりついて食べよう
6時間も火入しているのに、肉はしっとりとやわらかく、周りはほんのりピンク色。このピンク色の正体はスモークリングというもの。低温で長時間スモークすると現れるもので、これぞ本格的なアメリカンBBQの証しなのだとか。
左:しっかりとした歯応えが楽しめるビーフソーセージ。右:チーズの濃厚なソースが美味しい「マカロニチーズ」700円
自分へのご褒美。ゴキゲンのラインナップ [食楽web]
大迫力のBBQを食べてビールを流し込む幸せ! これぞ至福の時間です。これはクセになる美味しさ。カウンターもあって「女性一人のお客様も多いです」と店長の植松さん。たくさん飲み比べしたい時には、クラフトビールの「飲み比べセット」もあるので、ひとりでもいろいろ試せそう。オシャレな店内はギャラリーも併設、週末にはカウンターでDJ イベントを開催するなど楽しい催しも。行きつけにしたい素敵なお店を見つけました。
●SHOP INFO
店名:Cycad Brewing
住:東京都豊島区西池袋4-19-14
TEL:03-6873-2143
営:12:00~15:00、16:00~23:00、土日曜12:00~23:00
休:火曜
https://www.instagram.com/cycad_brewing/
●著者プロフィール
矢巻美穂(やまき・みほ)
国内外の旅行雑誌を中心に活動するカメラマンで、撮影から執筆・編集作業まで行う。単著としてネパール、台湾、ウズベキスタン、韓国、ウラジオストクなどのフォトガイドブックを執筆。近著は『東京で台湾さんぽ』(イカロス出版)。また、YouTubeで「旅ちゃんねる MinMin Tour」をオープン。これまで取材に行って、本当に美味しかった店や行ってよかった人気スポットを紹介。