部分リノベで理想の住まいに様変わりさせた方のお宅を取材。
きっかけは? 重視したことは? どんなプロセスで? 体力のある今のうちがチャンス。
改めてお部屋を見直してみませんか。

今回お宅を拝見したのは・・・
こてらみやさん(56歳)
レシピ制作からスタイリングまで、食の総合コーディネーターとして活躍。近著に『まいにち お漬けもの』(世界文化社)がある。

〈データ〉
家族構成/1人
築年数/59年
間取り/1LDK→1LDK
専有面積/約60㎡
工事費総額/約700万円
設計/東 章司建築研究所
施工期間/約3か月

設備や素材は自分で選んで現品支給しました

同じマンション内に2部屋を所有するこてらさん。

「1室は賃貸で自宅兼事務所、もう1室は義母の住まいでしたが、高齢で施設に入ることに。空き室になったのを機に古いキッチンと洗面・トイレをリフォームしました。最初は天井のクロスを張り替えるだけの予定でしたが、私も50代後半。存命だった夫がこの際、気になる場所は直したら? と後押ししてくれました」 


リフォーム前。
入口は正面の1か所のみ。収納の関係でコンロ脇に冷蔵庫を置くしかなく「どうにも使いにくかった」とか。

以前のキッチンはカウンターに大理石を用いた贅沢仕様でしたが、動線が悪く「いちいち使いにくかった」とか。

「せっかくリフォームするなら見た目も使い勝手も私好みにしたくて、毎日、夜中までインスタグラムやピンタレストで設備や素材情報をチェック。友人の建築士に相談しつつ、インテリアデザインアプリでああでもない、こうでもないと自分目線でレイアウトを考えました」 

結果、システムキッチンのベースは「イケア」でセレクト。

「専任スタッフが間取りに合わせたレイアウトや収納プランをアドバイスしてくれて、これは本当によかった。水栓金具や天板は気に入ったものがなかったため他のメーカーで調達し、洗面ボウルや鏡、タイルといった設備や素材もショールームで実物を見て、自分で購入。工務店に現品支給し、好きな素材を使いながらかなりのコストカットにつながりました。吊り戸棚や洗面ボウルの高さなどを数センチ単位で吟味したので、使い勝手も抜群。ものすごく大変だったので、決しておすすめはしませんが(笑)、頑張ってよかったです」

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動線と使い勝手を考えて思い通りのキッチンに


キッチンの面積と位置はほぼそのまま、2方向から出入りできるアイランド型に。
音声で照明がオン・オフできるシステムも導入して快適。


「どうしてもワークトップに水切りカゴを置きたくなくて」と、シンク上に洗った食器用の吊り戸棚を設置。こてらさんの身長に合わせた高さにしているのでノンストレス。


ビルトインコンロはデザイン重視で「+do(プラスドゥ)」をチョイス。


アイランド部分の収納力が抜群で「イケアのキッチンがこれほど使えるとは」とこてらさん。
シンプルな取っ手は「アリエクスプレス」でなんと1個60円!


冷蔵庫の収まりもポイント。
「脇の壁と面一(つらいち)でスッキリ収めて! と頼みました」


職業柄、キッチンに立つ時間が長いので、床材は柔らかく保温性の高いコルクタイルを採用。自分で「オスモカラー」を塗り、耐久性をアップさせました。