定年退職すると「お金」「孤独」「健康」「家族」という4つの難題に直面することがありますが、その時に気づいても時すでに遅しで、残念な老後を送ることになる…。そう話すのは、資産数億円を築いた元メガバンカーの坂下仁氏です。本稿では、坂下仁氏の新刊『新版 いますぐ妻を社長にしなさい』(フォレスト出版)より一部を抜粋し、詳しく解説します。
50代だからこそ、自分事として考えられる
人とはギリギリまで動かない生き物ですので、定年が視界に入った50代で初めて、老後が自分事になります。自分事になって初めて、老後の長さを思い知ります。でも、50代で気づけばギリギリセーフですので、ご安心ください。
団塊の世代の人生は「雇われる働き方→老後」というシングルキャリアでした。そして今は、「雇われる働き方→セカンドキャリア→老後」というダブルキャリアが当たり前になりつつあります。そうでもしないと、人間的な生活を続けられないからです。
でも今後は、「雇われる働き方→セカンドキャリア→サードキャリア」と進むトリプルキャリアが新潮流となります。なぜなら、人生100年時代の到来で、老後が40年へと延びつつあるからです。
あなたは40年もの間、仕事もせずに悠々自適に暮らす生活を想像できますか? 海外旅行や温泉旅行で余暇を楽しんで、心静かに過ごす生活をイメージされるかもしれません。
でも、実際に試してみた私に言わせてもらえば、それはただの絵に描いた餅。ライフワークを楽しんで「稼ぎながら、すべて使い切る」生き方のほうが、はるかに楽しいことに気づきました。
これを「稼げるライフワーク」といいます。お金・孤独・健康・家族の4Kの視点(理由)から眺めると、それがよくわかります。
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人生を楽しむ秘訣は、稼ぎながら使い切ること(お金の視点)
遊びにはお金がかかります。年金は生活費に使うので、遊びには使えません。遊びたければ稼ぐか、貯めたお金を取り崩すしかないのです。
でも、いくら貯めても取り崩せません。貯めたお金は、すべて使い切るのが理想的だと頭でわかっていても、一度貯めたお金は、将来への不安感が先行して崩せません。お金は貯めた分だけ塩漬けになるということ。相続財産額の平均値3,273万円がその実態を物語っています。では、どうすればよいのでしょうか?
選択肢は1つだけ。人生を楽しみたければ、ライフワークで稼ぎながら使い切ることです。誰からも命令されずに、やりたいことができるのですから幸せです。稼ぎながら使い切ると節税にもなるし、お金が世の中に循環して景気がよくなり社会貢献にもなります。