今週のテーマは「彼氏が友人に彼女を紹介したがらない。その理由は?」という質問。さて、その答えとは?
▶【Q】はこちら:「彼の友達に会ったことがない」彼女なのに、周りの人に紹介してもらえない。これって…?
学生時代からの友人というのは、本当に最高だ。損得勘定もなく、ただただ楽しい。年末年始はそんな学友との飲み会も増えるもの。
「あぁ。今日も楽しかったな」
そんな浮かれた気分で家の扉を開けた瞬間、嫌な予感がした。
― あ…。いるんだ。
もちろん、僕の予感は当たっていた。
「あれ?美香いたんだ」
「うん。LINEしたのに、見なかった?」
「あぁ〜ごめん。そういえば来ていたかも」
家に戻ると、彼女の美香がいた。合鍵を渡したのは僕だし、それは仕方のないこと。
しかも、交際して半年になる美香との未来を、真剣に考えないといけないことくらいわかっている。でも次の彼女の発言に、僕は萎える。
「裕也。今日の友達との飲み会って、次はいつあるの?一緒に行きたいな」
さっきまでの、ふわふわとした酔いどれ気分が急速にさめていく。
そしてこういう発言をされる度に、僕は「残念だな…」と思うのだった。
A1:結婚を意識はしている。でも逆にそれがプレッシャー
美香とは、前の会社が一緒で、今ではすっかり飲み友達でもある遥からの紹介で出会った。
ある日急に遥から「裕也、今彼女いるの?」と探りがきた。それに対して「いない」と答えると、「女友達が彼氏を探していて。よろしく」と、すごく雑な連絡が来た。
そして、いつのまにか食事会がセッティングされていた…という流れだ。
しかし実際に会ってみると、34歳で事務職だという美香は大人しそうな見た目で、とても落ち着いていた。
あまりガツガツと、彼氏を探しているようには見えない。
「美香ちゃん、今彼氏は?本当にいないの?」
「いないんですよ〜」
「そうなんだ。意外だね」
僕も今彼女がいない。でもバツイチの僕は、そこまで焦っているわけでもなかった。
― とりあえず、ご飯でも行こうかな。
そう思い、この翌週。とても軽い気持ちで美香を食事へ誘うことにした。
だがここで、予想外のことが起こる。
意外にも盛り上がった僕たちは、その日、初めて二人で食事へ行ったのに結局なぜか最後は僕の家へ来ることになり、ことを済ませてしまった。
そこからの関係は、想像通り。
文字通り、“都合の良い関係”だった。
だが美香は、意外にもしぶとかった。
会うたびに「私たちの関係って、何?」と聞いてくる美香。最初は答えを避けていたけれど、他に遊んでいる女性もいないし、別に断る必要もなくなってきた。
結局、出会ってから半年くらいで僕は折れた。
「私って、裕也の彼女という認識で合っているよね?」
「うん、合っているかな」
こうして気がつけば美香は僕の家に居座るようになり、そして合鍵も渡していた。
もちろん、美香は素敵な女性だった。それにとても家庭的な面もある。
平日は会食が多く、休日は家でご飯を食べたい派の僕。そんな僕に合わせてくれるかのように、美香は何も言わず、毎週末ご飯を作ってくれる。
「外食じゃなくていいの?」
「うん。だって、美香のご飯が美味しいから」
しかもそれ以外にも、僕の家へ来たら掃除までしてくれる。
「本当に美香って家庭的だよね。掃除も料理も、全部完璧じゃん」
「そうかな。ありがとう」
今のこの関係は、本当に最適だった。付き合っているだけで、じゅうぶん幸せだ。
でも美香の年齢的に、結婚を考えないといけないのもわかっている。それに、美香が結婚をしたがっているのも知っている。
「そういえば、最近遥と会ってる?遥と私の共通の女友達が、来月結婚するらしい」
「そうなんだ」
「いいなー。でもその子、まだ30歳だって。若いのにすごいよね」
「若いほうが、勢いがあるんじゃない?」
さりげなく、結婚をチラつかせてくる美香。頭ではわかっているけれど、こういう話をされる度に少し面倒になる。
― いちいち言わないほうが、ちゃんと考えるのにな…。
男なんて天の邪鬼なので、ついそう思ってしまう。
そして何より、それが僕が美香を周囲の友人たちに紹介したくない理由でもあった。
A2:束縛も面倒だし、周りを固められそうで嫌だ
正式に彼女になってから、気がついたことがある。美香は、ものすごく僕の言動を把握したがるタイプの女性だったことに…。
例えば飲んで帰った日のこと。合鍵を使って僕の家で待っていた美香は、とにかく細かく聞いてくる。
「裕也、今日は誰と飲んでいたの?」
「今日はクライアントだよ」
「女性は?いた?」
「先方にはね。でも仕事の人だから」
「そうだけど…」
これはもう最悪だ。なぜいちいち全部報告しないといけないのだろうか。僕は美香に対して、そんなことを聞いたことはない。むしろ、知る必要もない。
「ねぇ、何もないんだよね?だったら、せめて誰と飲みに行くとか、誰と会ったとか…それくらいは教えて欲しいな。私、裕也の彼女なんだし」
「そんなこと、いちいち報告する必要ある?」
「だって、心配だもん」
― この束縛、面倒なんだよな…。
これで美香と結婚したら、「スケジュールは全部把握してないと嫌!」とでも言われそうな勢いだ。
この束縛の重さも、僕が美香との結婚話を進めたくない大きな要因のひとつでもあった。
そして何より、僕が美香を友人に紹介しない理由。それは、彼女の言動の不安定さにあった。
「裕也ってさ、なんで私のこと友達とかに紹介してくれないの?何かあるの?」
「何もないに決まってるじゃん。でも男友達との飲みに彼女を連れて行くとか…大学生じゃないんだから」
「なんで?他の人は?」
「他も連れてこないよ。男同士の飲みの時は、男のみ。そう決まっているから」
美香を仮に男友達の飲みに連れて行ったら?
彼女ヅラをして、マウントを取るに決まっている。
そして何より、周りを味方につけて脇を固めて結婚の話を押し進めようとするのが見え見えでもある。
「絶対やましいことがあるからだよ」
美香の小言に、僕は若干のうんざりさを持ち合わせて返事をする。
「だから違うって…」
「私の友達には、いつでも裕也を紹介できるのに」
「まぁタイミングが合えばね」
ちなみに美香の友人に、一度会ったことがある。その時にも、だいぶ(たぶん美香から「結婚の意思を探って、結婚って良いよとアピールして」とか言われたのだろうけれど)、遠回しに結婚のプレッシャーをかけられ、面倒くさい以外の何物でもなかった。
そして何より、僕の中でこんな状況で美香と結婚するかどうか、決断できていない。
そんな中途半端な状態の時に友人に会わせるわけにもいかないし、まだ会わせたくない。
男が友人に彼女を紹介しない時…。
それは2パターンあると思う。
まず一つ目は、決めきれていない時。ただの遊びだったり、面倒くさいことを起こされそうだなと思っている時。
そしてこれは少ないけれど、大本命の時。大切にしすぎて、誰にも会わせたくない…と、真剣に考えている時もある。
ただ僕の場合は、完全に一つ目のパターンだ。
束縛に、未来はない。女性は男性を適度に緩く泳がせるくらいのほうが、逆に結婚にも近づくと思っている。
▶【Q】はこちら:「彼の友達に会ったことがない」彼女なのに、周りの人に紹介してもらえない。これって…?
▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟
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