2025年4月13日の大阪・関西万博の開幕を3か月後に控え、参加国が独自のデザインで建てるパビリオンも続々と姿を現しつつある。24年12月20日に報道公開されたひとつが、韓国パビリオンだ。

目玉は「メディアファサード」と呼ばれる幅27メートル、高さ10メートルのLG社製の大型高精細ディスプレーで、技術力や文化をアピールしていきたい考えだ。韓国では尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が出した「非常戒厳」をめぐる政治の混乱が続くが、「イベントは問題なく準備している」としている。

来場者の声を集めてAIを使ってオーケストラに昇華

パビリオンを運営する大韓貿易投資振興公社(KOTRA)では、万博参加の意義を「グローバルリーダーとしての韓国を発信」「韓日関係の未来志向的な発展と協力強化」と説明し、パビリオンのテーマに「With Hearts」を掲げている。

3つの部屋で構成されており、「第1館」では、来場者の声を集めてAIを使ってオーケストラに昇華させる体験ができる。「第2館」では、荒廃したコンクリートの都市文明を韓国の技術で浄化・再生する様子が見られる。「第3館」には3面のスクリーンが設置され、2040年の未来社会の物語を上映する。報道陣に公開された第3館の中にはまだ何もなく、今後内装工事が行われる。3月の完成を予定している。

メディアファサードには、3分程度の動画を5本用意して流す。内容は「韓国の伝統文化から、文化遺産、韓国の技術を使ったメディアアートなど」。K-POPのコンテンツが含まれるかは「確定していない」としている。

KOTRA大阪貿易館の孫昊吉(ソン・ホギル)館長によると、韓国のIT技術を「一気に表現できる」という面で「一番効果的」だとして、メディアファサードを目玉として打ち出すことにしたという。

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5月13日のナショナルデーはどうなる

万博には各参加国・地域をたたえ、特集する「ナショナルデー」が設けられており、韓国は5月13日。ナショナルデーを中心に、K-POPコンサートなど、さまざまなイベントが企画されている。ナショナルデーには本国から要人が訪問することも多い。尹大統領をめぐる政治的混乱が与える影響について問われた孫氏は、

「韓国の情勢に関係なく、そういった(ナショナルデーの)イベントは問題なく準備している」

と話した。

(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)