日本人は親切だ、他人に対して優しい、と言われる一方で、世界の「人助けランキング」ではどん底にある。調査、統計の取り方にもあるが、日本人としてはあまり嬉しくない。しかし、この「評判」が少しずつ上向いている。所得税に寄付控除があり、この統計を見ると寄付する人の割合は着実に伸びていることが分かった。

個人寄付総額は11年で2.2倍

日本人の寄付を語るとき、いつも引き合いに出されるのがチャリティーズ・エイド・ファウンデーションの世界人助け指数である。「この1か月間に寄付したか」など3項目の質問で市場調査会社が調査した統計をもとにはじき出した順位だが、2022年調査では142か国中139位、最下位に近い。

しかし一方で、日本ファンドレイジング協会の「寄付白書」では2020年の日本人の個人寄付総額は1兆2000億円を超す。2009年の2.2倍だという。2011年の東日本大震災で被災地の映像を見た人たちが「少しでも貢献したい」という気持ちが広がったことが大きいと言われている。

寄付白書によれば、日本人の44.1%が金銭による寄付を行っている。会費として支出した人が26.4%、ふるさと納税を行った人が14.6%だった。日本人の寄付額平均値は3万7657円。これを年代別で見ると、年代が上がるごとに比率が高くなる傾向にある。

確定申告の寄付控除の適応者割合は年々上昇している。2019年分が14.3%だったのが、2023年分では23.5%まで伸びている。4人に1人は寄付する計算だ。申告者の人数だと2023年分は547万人に上る。

ふるさと納税の伸びが影響しているとみられる。ふるさと納税を「純粋な寄付」と見るかどうかはあるが。

寄付白書の2025年版作成のための準備が進められており、この費用もクラウドファンディング、寄付で集められている。

(J-CASTニュース リサーチ班)