空気階段・鈴木もぐらの“孤独のグルメ”に密着「和田屋で食べた後なら、今晩死んでも悔いはない」

この年末年始にテレビ東京で大量放映されて、高視聴率をマークした『孤独のグルメ』。2025年1月には映画版の公開や、「孤独のグルメ博」の開催、関連本の出版と相次いで“五郎まつり”の様相だが、それだけ人は「一人メシ」に惹かれるのかもしれない。

人前に出る機会が多い人気芸人も、独りになりたい瞬間がある。そんな時はどんな店に行き、何を食べているのか?

◆空気階段 鈴木もぐら氏「今晩死んでも和田屋に行った後なら後悔はない」

●高円寺「和田屋」のまぐろの刺身、なんこつのたたき、たこ入り卵焼き

数多くの飲み屋が軒を連ねる東京・高円寺。細い路地にある「和田屋」は、狭い店内に所狭しとメニューが貼られた、昔ながらの居酒屋だ。

’24年12月某日、赤いトレーナーで店にふらっと現れたのは、お笑いコンビ・空気階段の鈴木もぐら氏。仕事終わりに店に来ると、時に閉店まで時間をかけて飲むのが彼のスタイルだ。この日も「S席」と呼ぶ店の最奥に通されると、タバコをくゆらせ、ジョッキになみなみと注がれた焼酎をホッピーで割り、喉を潤した。

毎回注文を欠かさないのが「まぐろの刺身」。中トロと赤身が3切れずつ入り600円だ。

「魚はやっぱり刺身ですね。ぜいたく感があるんです」

他にたれの旨みとネギの風味が広がる「なんこつのたたき」(300円)、トロトロの卵に絶妙に火が入ったたこが絡む「たこ入り卵焼き」(580円)など、お気に入りの商品を至福の表情で頬張る。

「そもそも高円寺に高級店がないというのもありますが、やはり自分の口にはこういう庶民的なものが合っていると思っています」

◆カウンターの一人時間がお気に入り

和田屋に通い始めたのは約10年前のこと。’23年には離婚したが、元妻と子どもが上京してきた時は、店長に「子の成長を見せたい」という思いもあり、今も足は絶やさない。カウンターの一人時間がお気に入りだ。

「一人の時は誰にも気兼ねなく、自分の好きなものを食べられるのがいい。もしかしたら今晩死ぬのかもしれないけど、和田屋でご馳走を食べた後なら悔いはない」

ひとしきりご馳走を楽しんだ後、「これから麻雀行くんで」と高円寺の雑踏へと消えていくのだった。

【空気階段 鈴木もぐら氏】

’12年、水川かたまり氏とお笑いコンビ結成。’21年、キングオブコント2021優勝。TBSラジオ『空気階段の踊り場』レギュラー出演中

<取材・文/週刊SPA!編集部>

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