ゼンデイヤやセレーナ・ゴメスも!【ゴールデングローブ賞2025】授賞式のベストドレッサーを発表

2025年1月5日(現地時間)、米ロサンゼルスのビバリー・ヒルトン・ホテルで盛大に行われた第82回ゴールデングローブ賞授賞式。レッドカーペットにはきらびやかなルックに身を包んだ豪華セレブが続々と登場した。そこでアメリカ版『マリ・クレール』編集者が選ぶ11人のベストドレッサーをご紹介。マリ・クレール インターナショナルのアメリカ版デジタル記事よりお届け。

2025年ゴールデングローブ賞のベストドレッサー、11人のスターが見る価値のあるショーを演出

アワードシーズンは好調なスタートを切った。

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2025年ゴールデングローブ賞のレッドカーペットでのベストドレッサーたちは、手に負えない要求を満たさなければならなかった。第82回ゴールデングローブ賞のフォトスポットで目立つ衣装を披露し、自宅で視聴していた編集者やおしゃれ好きの女性たちを喜ばせることだ。

ゴールデングローブ賞は、映画やテレビの優れた演技を称える式典として通常、新年最初の行事となることから、長年にわたり、恒例のアワードシーズンの幕開けとみなされてきた。多くのセレブのスタイルは、ビバリーヒルズで行われる授賞式で着用したドレスによって評価が決まる。しかし、1月の最初の日曜日に注目を集めるための競争は熾烈(しれつ)だ。レッドカーペットに出席するか、日曜夜のアメリカンフットボール(カンザスシティ・チーフスが試合中)を見るか、あるいはTikTokで両方のハイライトを見るか、それはテイラー・スウィフトだけが選択しているわけではない。

テイラーは(授賞式に)出席しなかった。彼女の不在は残念だったが、他にも注目すべきことがたくさんあった。数分もしないうちに、「マリ・クレール」編集部のSlackは私たちのお気に入りのルックへのリンクで盛り上がり、その中からトップを選ぶのは容易ではなかった。アワードシーズンにおけるレッドカーペットの模様を8年近く取材してきたが、式典がこれほど盛り上がるのを見るのは初めてだ。

アニャ・テイラー=ジョイやアリアナ・グランデといったスターたちは、お気に入りのデザイナーのアーカイブから意図的に衣装を選んだ。一方、『チャレンジャーズ』で映画部門のミュージカル・コメディ部門主演女優賞にノミネートされていたゼンデイヤは、古き良きハリウッドスタイルにオマージュをささげたルイ・ヴィトンのカスタムメイドドレスを完璧なまでに新鮮に仕上げ、レッドカーペットを颯爽(さっそう)と歩いた(彼女はまた、さりげなくダイヤモンドの婚約指輪を披露していた)。『ウィキッド ふたりの魔女』のシンシア・エリヴォはまばゆいばかりの「ルイ・ヴィトン」で登場し、『ANORA アノーラ』のマイキー・マディソンは「ボッテガ・ヴェネタ」で輝いていた。そして、「プラダ」をまとったセレーナ・ゴメス(と彼女の巨大な婚約指輪)もいた。ええ、授賞式の中継を視聴してよかった。

以下に、編集者が思わず目に留めた2025年のゴールデングローブ賞で最もおしゃれな11人の出席者を紹介する。もし、これらのスタイルをライブで直接見ていなかったら?(この後行われる)グラミー賞やアカデミー賞で同じ過ちを起こさないように。

シンシア・エリヴォ/「ルイ・ヴィトン」


Louis Vuitton

「西の悪い魔女」エルファバのグリーンは、2024年に最後の飛行を終えたのかもしれない。『ウィキッド ふたりの魔女』のスター、シンシア・エリヴォは彼女にとって初めてのアワードシーズンのレッドカーペットに登場し、エメラルドシティとエメラルドのカラーパレットを後にした。代わりに彼女はスタイリストのジェイソン・ボーデンと、花形のクリスタルの装飾が施された「ルイ・ヴィトン」の特注ブラックドレスを選んだ。彼女のドレスのアクセントが、遠くからは渦巻く銀河のように見えること、そして、6カラットのダイヤモンドをちりばめたネイルが同じように明るい輝きを引き立てていることには、まだ魔法がたっぷりある。結論として、「西の悪い魔女」のようなストレートなメソッドドレッシング(演じる役やスタイルに合わせたファッション)は、永遠に打ち負かされたようだ。

エル・ファニング/「バルマン」

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エル・ファニングとスタイリストのサマンサ・マクミレンは、ヴィンテージスタイルが大好きだ。しかし、彼女が今回着用した「バルマン」のドレスは、それ以前に『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』のレッドカーペットツアーで着用してきた「グッチ」や「ディオール」ほど、あからさまに60年代を意識したものではなかった。派手なヒョウ柄! がリボンを思わせるボディス部分は、まるでアーカイブの熱狂的な夢のようだった。 ボリュームのあるボールガウンのスカートや「カルティエ」のダイヤモンドのタッチも同様だ。しかし、私はこれを過ぎ去った時代の“コピペ”とは呼ばない。時代を超えたデザインだと言えるだろう。

セレーナ・ゴメス/「プラダ」


PRADA

セレーナ・ゴメスとベニー・ブランコは、この夜のベストカップルだったが、ファンは2人がレッドカーペットを歩く姿を見ることはできなかった。代わりに、2人は会場内でディズニーのお姫様と王子様の衣装を披露した。セレーナはスタイリスト、エリン・ウォルシュがスタイリングしたシンデレラブルーの「プラダ」のドレスで輝きを放ち、一方のベニーは白のスーツで颯爽と登場した。

数週間前、セレーナのダイヤモンドの婚約指輪は、その印象的なサイズと価値により、あらゆるメディアの見出しを飾った。しかし、彼女のベビーブルーのオフショルダーのドレスと、サイドパートにしたドラマティックなボブヘアの横に並ぶと、実に控えめに見えるほどだ。彼女はまた、「ティファニー」の「ブルーブック・コレクション」のネックレスとリング、「ティファニー」のダイヤモンド・スタッド・イヤリング、そしてまた別の「ティファニー」のリングという、「ティファニー」に提供された新しい宝石をいくつか加えた。 最近の彼女の億万長者風の白いスーツや黒のドレスの数々と比べると、これはよりソフトでスウィートな、ラブソングのように大好きなルックだ(そして、彼女がアワードシーズン中、このようなスタイルを繰り返し続けてくれることを願っている)。

マーガレット・クアリー/「シャネル」

『サブスタンス』で映画部門の助演女優賞にノミネートされたマーガレット・クアリーは、「シャネル」の花嫁のイメージを一新した。


CHANEL

ゴールデングローブ賞にノミネートされる何年も前、マーガレット・クアリーはパリ・ファッションウィークの「シャネル」のショー(2021年秋オートクチュール)で、花嫁役としてランウェイのフィナーレを飾った。そして今年、彼女はスタイリストのパトリシア・ヴィリリロがスタイリングした、同じく「シャネル」のティアードドレスで授賞式に出席した。レッドカーペットのイベントに「シャネル」を選ぶことが多いマーガレットだが、今回はいつもと違う印象を受けた。それは、彼女のウエストに飾られた、シンプルで可愛らしいリボンのベルトだったのかもしれないし、黒髪の下で光り輝くダイヤモンドのピアスのせいだったのかもしれない。いずれにしても、私はこのスタイルに「イエス」と言わずにはいられなかった。

ゼンデイヤ/「ルイ・ヴィトン」

ゼンデイヤは特注のルイ・ヴィトンをまとって、古き良きハリウッドを新たな高みへと引き上げた。


Louis Vuitton

ほとんどのスターにとって、「オールド・ハリウッド」スタイルを参照することは、肘までの長さの手袋を身につけるのと同じことだ。ゼンデイヤとスタイリスト、ロー・ローチの場合は、さらに多くの宿題が伴う。ゼンデイヤは、歴史に彩られた「ルイ・ヴィトン」のドレスで登場した。ロー・ローチはインスタグラムのストーリーで、このカスタムメイドドレスは、アフリカ系アメリカ人の衣装デザイナー、ゼルダ・ウィン・ヴァルデスのデザインと、1940年代のナイトクラブ歌手ジョイス・ブライアントに敬意を表したものだと明かした。20世紀半ばに全盛期を迎えたヴァルデスは、歌手で俳優のドロシー・ダンドリッジ、ジャズシンガーのエラ・フィッツジェラルド、ソウルシンガーのグラディス・ナイトなどの衣装をデザインした。また、ブロードウェイで初めてドレス製作のビジネスを始めた黒人女性でもあり、「プレイボーイ」のバニーガールのスタイルを生み出した人物としてもよく知られている。一方、ラジオ界ではジョイス・ブライアントが大胆なファッションで検閲に立ち向かった(彼女はよく「黒人のマリリン・モンロー」とも呼ばれている)。

ゼンデイヤは、彼女たちの象徴的な美しさに敬意を表して、彫刻のようなボディス、誇張されたトレーン、そして何メートルにもわたる魅惑的なシトラスサテン地を使用した。そして「ブルガリ」のダイヤモンドとトルマリンのネックレスを身にまとった『チャレンジャーズ』の主演俳優は、過去を現在に巧みに再現した。

アリアナ・グランデ/「ジバンシィ」のアーカイブ

この夜、もっとも『Popular』なルックのひとつ。「ジバンシィ」のアーカイブをまとったアリアナ・グランデ。

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アリアナ・グランデはレッドカーペットで、『ウィキッド ふたりの魔女』を参考にするスタイルをまだ終えていないが、彼女が演じるグリンダの明るいピンクや「ポピュラー」(映画のサントラの収録曲)なフレンチマニキュアからは脱却しようとしている。彼女とスタイリストのミミ・カトレルは、代わりに童話『オズの魔法使い』でオズの都へ至る道として知られる「黄色いレンガの道」と、「ジバンシィ」のアーカイブに目を向け、2025年ゴールデングローブ賞のスタイルを完成させた。その結果は? ビーズで刺しゅうされたバターイエローのドレスに、カーブしたラップスカート。弾むようなポニーテール、きらめく「スワロフスキー」のチョーカー、肘まで長さのあるオペラグローブを合わせたアリアナは、私にまた別のヴィンテージスタイルを思い出させた。『マイ・フェア・レディ』(1964年)の頃のオードリー・ヘプバーンだ。

ティルダ・スウィンドン/「シャネル」

ティルダ・スウィンドンはレッドカーペットでシンプルな「シャネル」のセットアップをまとった。


CHANEL

ティルダ・スウィントンが映画部門の主演女優賞にノミネートされた映画『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』では、長年にわたる(そして複雑な)友情の輪郭が描かれている。それは独自の特別な方法で、「シャネル」のノーカラージャケットとコラムスカートでもまったく同じことをしている。ティルダは、米誌『Variety』のレッドカーペットインタビューで、「シャネル」のパリのアトリエの職人たちを「友人」と呼んだ。数えきれないほどの授賞式、ディナー、イベントで彼女をドレスアップさせてきた友人たち。このスターが受賞者らしく装うのに、さりげなく輝くジャケットとエレガントなスカート以上のものはいらないことを知っている友人たち。もう一人の親しい友人が、このルックに命を吹き込んだ。スタイリストのジェリー・スタッフォードだ。彼はティルダを顧客リストの親しい仲間の一人に数えている。

キーラ・ナイトレイ/「シャネル」

「シャネル」の長年のファンであるキーラ・ナイトレイは、ドラマ部門の主演女優賞にノミネートされた授賞式でふたたびこのメゾンを選んだ(2024/25オートクチュールコレクションにインスピレーションを得たカスタムドレス)。


CHANEL

Netflixのドラマ『ブラック・ダヴ』で、キーラ・ナイトレイは愛情深い母親と凶悪なスパイを交互に演じ、それぞれの役柄にふさわしい衣装を身にまとっている。今回のレッドカーペットでは、彼女は間違いなく必殺技ともいうべき最高のルックを披露した。この俳優はスタイリストのリース・クラークと協力して、「シャネル」のスパンコール付きのボディスとフェザーでトリミングされたスカートが特徴的なスリップドレスを着用し、洗練された魅惑的なスタイルを作り上げた。なめらかなショートボブとタフな黒のマニキュアを組み合わせたキーラは、控えめな「ダヴ(ハト)」というより、モダンなブラックスワンのようだった。

マイキー・マディソン/「ボッテガ・ヴェネタ」

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マイキー・マディソンが『ANORAアノーラ』のレッドカーペットの衣装を着用した数週間後、ついに賞シーズンが正式に始まり、エキゾチックダンサー、アニ役としての彼女の演技で、主演女優賞の座を争う戦いの旅が始まった。今回、彼女はスパンコールがちりばめられた「ボッテガ・ヴェネタ」のストラップレスドレスで、彼女はスクリーン上の期待に間違いなく応えていた(興味深い事実:このデザインは「ボッテガ・ヴェネタ」のクリエイティブ・ディレクターだったマチュー・ブレイジーが「シャネル」に移籍する前に手がけた最後の作品のひとつだ)。

スタイリストのジェイミー・ミズラヒは以前、アメリカ版「マリ・クレール」のインタビューで、マイキーのレッドカーペットでの装いは、彼女のキャラクターを表現するというよりも、「ありのままの彼女」を見せることだと語っている。そして、何メートルにもわたる特注のスパンコールで覆われたゴールドドレスをまとったマイキーは、彼女が競っているゴールドのトロフィーにふさわしいことがはっきりしていると語った。

アレクサンドラ・ダダリオ/「ヴィヴィアン・ウエストウッド」

アレクサンドラ・ダダリオは2025年のゴールデングローブ賞でショーガールとしての一面を披露した。

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今回の出席者の中で、「ヴィヴィアン・ウエストウッド」の特注クチュールを身にまとった『ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル』のスター、アレクサンドラ・ダダリオほど楽しんでいる人はいなかっただろう。スタイリストは、顧客が自分のスタイルを気に入っているかどうかを感じ取れるとよくいうが、アレクサンドラのくらくらするような笑顔とポーズは、彼女がワンショルダーのショーガール風のフェザーネックラインと、さりげなくきらめくスカートを気に入っていることを物語っている。私も認めざるを得ない。彼女のドレスと大胆な赤いリップを初めて見たとき、思わずニヤリとしてしまった。

アニャ・テイラー=ジョイ/「ディオール」のアーカイブ


Dior

アニャ・テイラー=ジョイのどこから始めようか。彼女が着用したディオールのアーカイブドレス、それともそれに合わせた64カラットのティファニーのネックレス? 彼女のスリムなブラッシュピンクのドレス、おそろいのフリンジ付きショール、そして豪華な花形のネックレスは、彼女の最近のレッドカーペットスタイルを特徴づける洗練さを表現していた。

ヴィンテージものは、それを着る人よりもその歴史に重点が置かれることがあるが、このルックはアニャにぴったりだった。そして、2024年の映画『マッドマックス:フュリオサ』のプロモーションでアニャとスタイリストのライアン・ヘイスティングスがサイバーパンク風の路線だった数か月間を見てきた後だけに、このスターがソフトな一面を受け入れているのを見るのは新鮮だ。アニャが「ニュールック」の過去を振り返るのに、ディオールは完璧なメゾンだった。彼女はパリ・ファッションウィークの「ディオール」のショーに頻繁に出席している。

※(   )内編集部注

translation & adaptation: Akiko Eguchi

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