あなたの家計、ゆとりありますか?

コロナ禍の2021年に比べ、家計にゆとりにない人が増えていることが働く主婦・主夫層のホンネ調査機関「しゅふJOB総研」(東京都新宿区)が2024年12月17日に発表した意識調査「世帯年収とゆとり」でわかった。しかも、年収が高い層ほど「家計のゆとり」がなくなっている。

しかし、収入を増やさなくても、ゆとりを取り戻す方法があるという。専門家に聞いた。

年収高い層ほど多い、3年前より「家計のゆとり」が減少

しゅふJOB総研の調査(2024年7月25日~8月1日)は、就労志向のある主婦・主夫層420人が対象。

いま、家計にゆとりがあるかを聞くと、「ある」(27.1%)と答えた人が3割以下、「ない」(65.5%)と答えた人6割超だった【図表1】。

家計のゆとりを世帯年収別に比較すると、年収500万円未満では「ある」(11.5%)が約1割だが、年収500万円以上では「ある」(35.3%)が3倍以上の3割超だった【図表2】。

興味深いことに、2021年と2024年とを比較すると、「ある」と答えた人が年収500万円未満では12.3%から11.5%へと微減だったのに対し、年収500万円以上では、47.5%から35.3%へと12ポイント以上も減少しているのだ【図表3】と【図表4】。年収が多い層のほうが「ゆとりがない」と答える人が多くなっているは、どういうわけだろうか。

【図表5】は、子どもの数と年収を比較したグラフ。年収500万円未満では6割以上に子どもがいなくて、年収が高くなるほど子どもの数が多くなることがわかる。

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「身の丈にあった生活をしている」や「数年先の年金生活が心配」の声

フリーコメントでは、家計にゆとりがある人からこんな意見が相次いだ。

「普段、節約を心掛けているので、金銭的には余裕があると思う 身の丈にあった生活をしている」(50代:今は働いていない)

「どれか1つが負担になっているのではなく、全体的に圧迫されてきている感じがする」(40代:パート/アルバイト)

「今現在ゆとりがあっても、子どもたちの大学進学や、夫婦の老後の費用を考えると貯蓄せざるをえない」(40代:今は働いていない)

「細かい家計簿もつけておらず、それでも必要なものは購入し、外食やデリバリーも利用して少し料理の負担を減らしたり、旅行も年に数回出かけたり……。そう思うとゆとりは比較的あるのかなとは思います」(50代:契約社員)

ゆとりがあると言いつつ、つましい生活ぶりの人が目立った。一方、ゆとりがないという人からは切実な声が寄せられた。

「食料品が安ければ、健康を十分保てる量の食事をとれる。また、音楽やスポーツなどを楽しむ余裕もできる。今は、可能なものを省く生活で、心にも余裕がない」(50代:今は働いていない)

「ゆとりがあればすかさず老後資金へ。ゆとりがないのが本音」(40代:今は働いていない)

「目の前に定年が迫っている年齢。現在のゆとりどころか、数年先の年金生活が心配」(50代:今は働いていない)

「給料は上がらず、物価だけはどんどん上がり、夢がない現実」(30代:今は働いていない)

「子どもがいなければ楽なのにと思うことが多い。昔と違って育てにくい世の中なので」(50代:契約社員)