3.トイレ増設の注意点

トイレの増設にはいくつかの注意点があります。以下の点を押さえて、リフォームの計画を立てましょう。

①寝室近くは音や臭いに気をつける

トイレの給排水管が寝室の近くにあると、トイレの使用音が気になる可能性があります。

収納スペースや1階トイレの上など設置場所を考慮することや、壁の防音処理をすることが大切です。

また、臭い対策も必要になります。消臭機能のある壁紙や床材、トイレ本体を採用したり、常時換気機能付きの換気扇にしたりして、臭いが外に漏れないように対策をしましょう。

②階段付近への設置は転落に気をつける

2階の階段横はトイレを設置することが多い場所ですが、夜中に使用した際の転落事故を防ぐ工夫が大切です。

扉の向きを考え、階段側に扉が開くように開閉方法を工夫したり、ドアと階段の距離を近づけすぎないようにしたりして事故を防止しましょう。

また、足元に人感センサー付き照明を設置すると、自動で明るく照らしてくれるため踏み外しや転落防止にも役立ちます。

③電気代・水道代が増える

トイレの電気代は年間で約1,500~6,800円、水道代は約5,000~6,300円かかると言われています。トイレを増やすと電気代・水道代が増えることも考えておかなければなりません。

節電モードや便座温度を下げるなどの設定をしたり、流す際に「大」と「小」を使い分けたりして、電気代・水道代を節約するための対策をしましょう。

④給水配管・構造次第で工事が困難なことがある

建物の構造や既存の給排水管の位置によっては、希望の場所にトイレの増設ができないこともあります。

例えば、マンションの給排水管においては、「横枝管」は専有部、「立て管」は共有部と分けられており、共有部の「立て管」を個人でリフォームすることはできません。

また、横枝管から立て管に排水するには一定の傾斜が必要なため、工事ができず十分な傾斜がとれない場合、トイレの設置は難しくなります。設置ができたとしても、希望の場所に設置できない可能性があるでしょう。

トイレの増設を検討する際は、希望の場所に希望の設備が設置できるかどうか必ずリフォーム会社に確認してください。

⑤タンクレストイレの水圧に注意

タンクレストイレは、タンクがなくすっきりとした見た目であることやトイレ自体のサイズが小さいため、狭いスペースへの設置におすすめな商品です。

しかし、水道の圧力で直接汚物を流す仕組みのため、低い圧力だと十分に流れないことがあります。2階以上で水圧が低いと、タンクレストイレを採用できない可能性もあるため注意しましょう。

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4.トイレ増設の費用を抑える方法

ここでは、トイレの増設費用を抑える方法をご紹介します。少しでも費用を抑えたい方は、参考にしてみてください。

①トイレ本体のグレードを落とす

トイレ本体の価格を抑えることで、トイレ増設の費用を抑える方法があります。

トイレ本体は、主に4種類。デザインや機能によっても価格が大きく異なるため、本当に必要な機能は何か、予算に合っているかなどをよく検討して選びましょう。

それぞれの費用相場は以下の表をご覧ください。

<トイレの種類別|特徴と費用>

トイレの種類
特徴
費用相場
組み合わせトイレ

(分離型トイレ)
最も普及している種類のトイレです。

便器、タンク、便座を組み合わせて構成されます。

便器とタンクはセットで販売されることが多く、便座は別売りです。
9~18万円
一体型トイレ 便器、タンク、便座が一体型となっているトイレです。

手洗いがあるタイプとないタイプがあります。
10~25万円
タンクレストイレ 便器の後ろに貯水タンクがなく、水道が直接つながっているトイレです。

便器と便座がセットになっています。
13~30万円
システムトイレ 手洗器や収納などを組み合わせられるトイレです。

手洗器は既存の給排水管を利用できるため、大掛かりな給排水管の工事が不要で設置できます。
16~60万円

②既存トイレの近くや真上に増設

トイレの配管を1m伸ばすのにかかる費用は、約1万円。トイレを設置する際は、配管の距離をできるだけ短くすることで、配管工事費用を最小限に抑えることができます。

配管の距離だけでなく、配管を曲げる回数によっても差がでるため、設置場所をよく検討しましょう。

既存トイレの近くや真上のスペースに増設する場合、給排水管を増設する距離が比較的短くて済むため、費用を抑えることができます。

③補助金や減税制度を使う

少しでも費用を抑えるために、トイレの増設で使える国や自治体の補助金・減税制度を活用することもおすすめです。

省エネ目的・介護目的の工事の補助金制度、子育て世代向けの補助金制度、リフォーム減税などさまざまなものがあります。

それぞれの制度で、申請の時期や方法、条件などが異なるため、事前によく確認しておきましょう。

トイレのリフォームで使える補助金については以下の記事で詳しく解説しています。

【2025年の情報も】トイレリフォームで使える補助金は4種類!申請条件も解説