義理チョコから解放された若い女性たちよ、どんどんチャレンジしよう!

――今回のリポートで、特に強調したいことはありますか。

坊美生子さん これまで説明してきた通り、義理チョコが、すべてOLの「構造的劣位」から生じてきたことを考えれば、義理チョコが下火になったことは、働く女性の地位向上の面で歓迎しています。しかし、働く女性がどれぐらい劣位を脱したのかというと、ホントにまだまだ途上。男女間賃金格差は今でも75%ぐらいだからです。

男女を同等に持っていくためには、男性だけではなく、女性自身も意識を変えていかないといけないと思います。近年は、企業も、女性登用に向けて積極的に、またはしぶしぶ取り組んでいます。

昔日OLとは違ってたくさんのチャンスがある現在の若い女性たちには、ぜひどんどん難しいこと、高度なことにもチャレンジし、自分の手でチャンスをつかんでほしいと願っています。

(J‐CASTニュースBiz編集部 福田和郎)


【プロフィール】
坊美生子(ぼう・みおこ)

ニッセイ基礎研究所生活研究部准主任研究員。2002年読売新聞大阪本社入社、2017年ニッセイ基礎研究所入社。主に中高年女性の雇用と暮らし、キャリアデザインを研究。
日本は世界の中でもジェンダーギャップが最低ランクで、働く女性の賃金や老後の年金にも大きな男女格差があり、老後の女性の貧困リスクは増している。女性がもっと自然体で、自律的に、生き生きと暮らしていくためには、社会全体のジェンダーギャップ解消が必須と考え、多くの研究リポートを発表。
また、生活者の視点から高齢者が利用しやすく、外出促進につながる移動サービスのあり方についても研究。現在、「次世代自動車産業研究会」幹事、日本民間放送連盟賞近畿地区審査会審査員。