アートに触れて、マイペースを取り戻す。2月に行くべき3つの美術展

①創造と体験の地平を切り開く、坂本龍一「音を視る、時を聴く」

音楽家でありアーティストとしても世界的に知られる坂本龍一の日本初となる大規模個展「坂本龍一|音を視る 時を聴く」が、東京都現代美術館で開催中だ。音楽とアートの境界を超えた坂本の独創的な世界観を体感できるこの展覧会は、坂本が生前、同美術館のために構想した特別な企画に基づいており、未発表の新作や代表作を含む約10点の没入型サウンド・インスタレーションが展開される。

坂本が追求し続けた「音を空間に設置する」という芸術的挑戦と、「時間とは何か」という深い問いかけを表現すべく、美術館の屋内外を大胆に活用し、訪れる人々を坂本の創造の軌跡へと誘う内容となっている。

さらに、坂本とともに創作を重ねてきた高谷史郎や真鍋大度といった国内外で活躍するアーティストとのコラボレーション作品も見どころの一つ。音楽と視覚が織り成す壮大な空間は、訪れる者に深い感動を与えることともに、新しい視座をもたらしてくれることだろう。想像と体験の地平を切り開く、坂本龍一の世界へどっぷり浸かってみよう。

坂本龍一「音を視る、時を聴く」

会期:2024年12月21日(土)〜2025年3月30日(日)

会場:東京都現代美術館

https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/RS/

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②「寺山修司展」

日本のアンダーグラウンドを牽引し、常に表現活動の豊かな可能性を模索し続けてきた寺山修司。生誕90年にあたり、世田谷文学館では「寺山修司展」が開催中だ。

18歳で「短歌研究」新人賞を受賞し、自由詩へと創作活動の基盤を移し、歌謡曲の作詞や放送詩(ラジオ)へと活動ジャンルを広げた。30歳を前後する1960年代後半には世田谷区下馬へ移り住み、演劇実験室「天井棧敷」を設立。長編小説や戯曲、評論など新たな執筆活動を交えながら、演劇や映画といった芸術ジャンルへとさらに活動の場を移行させていった。

本展では、手紙魔でもあった寺山自筆の書簡や、「天井棧敷」に関する資料(原稿・台本・ポスター)など、約150点の資料で、寺山修司の人物像とその活動を紹介。鬼才とも呼ばれる寺山修司の人となりを知れる貴重な機会になりそうだ。会場では自動からくり人形師・ムットーニ(武藤政彦)による作品も同展にあわせて展示。ぜひともに楽しみたい。

寺山修司展

会期:2024年10月5日(土)~2025年3月30日(日)

会場:世田谷文学館 1階展示室

https://www.setabun.or.jp/collection_exhi/20241005_collection.html