禁煙の部屋でタバコを吸う迷惑客がいたとして、栃木県那須塩原市内の老舗旅館「塩原温泉元湯 ゑびすや」が吸い殻の写真などを公式Xに投稿し、宿のルールを守るよう訴えている。

「こちらの客室禁煙でございます」。テーブルの上には、赤字の下線が引かれた「禁煙のお願い」文がある。しかし、その横のお盆の上では、置かれたビンの中から、タバコの吸い殻が見えていた。

電話は無視、「【お願い】の文言を厳しくするしかありません…」

これらいくつかの写真は、ゑびすやの公式Xが2024年1月11日に投稿した。

ゑびすやは、明治時代の1907年に創業し、硫黄の香りがする白く濁った温泉で知られている。2種類の自家源泉を掛け流しているという。

投稿では、11日にチェックアウトした客が、「禁煙客室」でタバコを吸っていたことを確認したと明かした。タバコを吸わないスタッフが掃除に入ったところ、臭いで分かったという。

「【禁煙】のご案内があるにもかかわらず、非常に残念です」と嘆き、「今後この方達は出禁とさせていただきます」と明らかにした。

「禁煙のお願い」文では、タバコを吸う場所は、正面玄関の軒先を指定し、そこに灰皿もあるとしている。投稿では、「喫煙は指定場所、喫煙客室にてお願いします」と訴えている。

写真投稿は、5万件以上の「いいね」が集まっており、温泉宿の訴えに共感する声が続々と寄せられている。

ゑびすやでは、リプライにも答えており、インバウンドの外国人宿泊客は受け入れておらず、今回の客は日本人だったと説明した。この客には、チェックアウト後にメールで部屋の清掃費を請求するなどしたことも明らかにした。客に電話したものの、出なかったという。

「ルールとお願いは守ってほしいものです」としながらも、「【お願い】の文言を厳しくするしかありません…」とも書いていた。

ゑびすやの担当者は1月16日、タバコを吸った客は男女2人で、前日の10日から宿に1泊したと、J-CASTニュースの取材に答えた。

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清掃費の振込がなければ、法的手段に移る可能性

タバコの吸い殻が入れられたビンは、オロナミンCの空き瓶だとし、客が部屋で吸っていた状況については、こう明かした。

「公開はしておりませんが、お部屋に準備しているお茶道具の茶殻捨ての容器が灰皿に使われており、共有スペースの廃汁入れ(カップラーメンなどの残り汁を捨てるのに利用していただく物)にタバコの吸い殻が大量に捨ててありました。また、お茶殻入れを洗面台で洗った形跡があり洗面台がタバコの灰でかなり汚れておりました。吸い殻を発見した時点で、失望と怒りが込み上げ裏切られた気分になりました」

これだけ大量に吸っていたこともあり、チェックアウト後に清掃に入ると、かなりきつい臭いがしたという。部屋の窓は開いていたものの、吸い殻の数から考えると、チェックイン後から吸っていたのではないかとした。

「まずはお電話でご連絡しましたがお出にならず、その後メールにて清掃費等のご連絡をしましたがやはり未だに返信はありません。ご入金期限を事前にお伝えしておりますので、振込がない場合は弁護士に相談し法的手段に移る可能性がございます」

そのうえで、今回の件について、「非常に残念に思います。最低限のルールさえお守りいただければ、お互いにより良いご関係が築けるのに残念です」と漏らしていた。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)