田丸有子

(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタントの田丸有子さんは、子どもの頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの手紙好き。コンサルタントとして手紙文化を広めるために活動している田丸さんに、手紙の書き方のコツや手紙に関するトピックなどを毎月紹介してもらいます。

手紙で気持ちを伝えよう!

寒中お見舞い申し上げます。
東京は年明けからずっと穏やかな天気が続いていますが、日本海側では雪の影響が深刻ですね。たまに降る雪ならちょっとロマンチックで風情もありますが、それどころではないと大変な思いをなさっている雪国にお住まいの方々へ想いを馳せる今日このごろです。

さて、今年は昭和100年の節目の年に当たるそうですね。元日の中日新聞には、今も変わらず愛されている昭和の文化として「文通」を取り上げた記事が掲載されていました。実際に「文通」を求める人は増える傾向にあるのだとか。その記事によれば、日本郵便が運営するJPペンフレンドクラブ(文通相手を紹介する組織)の会員はここ5年で4400人増加しているそうです。コロナ禍が理由の1つと考えられるそうですが、年賀状の数は低迷し、郵便料金値上げによる影響など今まで以上に手紙文化にとって逆風が吹き荒れる中で、これは意外な数字でした。年齢層など詳しいことはわかりませんが、手紙には他にはない魅力があると気がついた幸運な人々が増えているのは喜ばしいことです。

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手紙トピック

お正月に、手紙や郵便がテーマ、またはアイテムとして出てくる映画を2本見ました。どちらも古い映画で、何度目かの鑑賞でした。

1つは2001年に公開された中国映画『山の郵便配達』です。美しくも厳しい山岳地域を歩いて郵便配達をする父と息子の物語。雄大な山の映像と美しい音楽が雄弁に語りかけてきます。何度観ても、観たあとの余韻が心地よい。鑑賞に値する素晴らしい映画です。

もう1つは1999年に公開されたケビン・コスナー主演の『メッセージ・イン・ア・ボトル』。こちらは砂浜で拾った瓶に入っていた手紙をきっかけに物語が展開される恋愛映画です。どこからともなく海をさまよってきた瓶に入った手紙を拾う…それだけでもロマンがありますね。若いケビン・コスナーの魅力全開。父親役のポール・ニューマンとのやりとりもグッときます。少々甘ったるい映画ですが、意外な結末が待っていました。

さて、今年は手紙が重要な役割を果たす映画が2本封切られます。

1つは2月7日に公開される『大きな玉ねぎの下で』。主演は神尾楓珠と桜田ひより。文通する2人の恋を歌った爆風スランプの同名曲からインスパイアされたラブストーリーだそうです。

2つめは、3月7日公開の『35年目のラブレター』。こちらは、読み書きのできない夫と献身的に支える妻の、実話を元にしたストーリーとのことで、予告編を観る限りではハンカチを用意する必要がありそうです。

映画を見て、文通してみたい、手紙を書いてみたいと思う人が増えると嬉しいです。
どちらも楽しみです。