
「最近、よく眠れない」「疲れやすい」「肩こりがひどい」といった読者の方々の声を聞きます。その悩みを解消するカギを握るのは、“自律神経”。そこで、自律神経に詳しい2人の医師に自律神経の乱れの原因や改善策を聞きました。
教えてくれたのはこの2人
小林弘幸(こばやし・ひろゆき)さん
順天堂大学医学部教授。自律神経の第一人者として数多くの患者を診察。『医者が考案した「長生きみそ汁」』(アスコム刊)など著書多数。
梶本修身(かじもと・おさみ)さん
東京疲労・睡眠クリニック院長。著書に『すべての疲労は脳が原因』(集英社新書)シリーズなど。雑誌やメディアに多数出演。
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「眠れない」「疲れやすい」「血行が悪い」の原因は“自律神経の乱れ”

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多くのハルメク世代を診療している順天堂大学医学部教授の小林弘幸さんは、「生活習慣や加齢の影響に加え、最近は気温差の激しい環境やストレスなどによって自律神経が乱れ、不眠や疲労感、血行不良といった不調を抱える人が増えています」と言います。
なぜ、自律神経が乱れると不調が生じるのでしょうか?
「健康な人なら昼間に交感神経が強く働いて行動し、夜に副交感神経が強く働き、ぐっすり眠れるようになっています。それが、生活習慣やストレスによって双方の働きが乱れ、特に交感神経が優位に働いている人が非常に多い。すると、休息するはずの夜になっても副交感神経に切り替わらず、“眠れない”“疲れがとれない”と感じるのです」と小林さん。

Luce / PIXTA(ピクスタ)
また交感神経が優位だと血管が収縮して血行が悪くなり、頭痛や肩こり、冷えなどが起こりやすいそう。「不調の改善には、毎日の生活習慣で副交感神経をしっかり働かせることが大事。何歳になっても、自律神経は整います」と力強く言います。
一方、東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身さんは、「暑さや寒さ、運動のし過ぎや過度な緊張などは、自律神経を酷使して交感神経優位の状態になり、自律神経の老化が加速してしまいます。自律神経を整えて不調を改善するには、安心してリラックスしながら過ごせる環境を整え、脳や体をしっかり休ませましょう」とアドバイスします。