
脳のコンディションを低下させる原因
ここからは、脳のコンディションを低下させる原因を、具体的に見ていきましょう。
お酒の飲みすぎ・睡眠不足

keyphoto/ PIXTA
一見関係がないように見えますが、脳が受けるダメージは同等です。意欲や感情の制御、集中力に関わる前頭葉がダメージを受け、脳の活動が低下。「決定・遂行」機能の低下で判断力も衰え、ミスが起きやすくなります。
また、「主観的幸福感」に関わる三大幸せホルモンの一つ、「セロトニン」の分泌を減少させ、イライラや集中力の低下、頭痛やめまいといった症状の原因になることも。自律神経のバランスが崩れ、自律神経失調症になってしまうこともあります。
長時間座りっぱなしの生活

ヒロサカ / PIXTA
じっと座ったままでいると、記憶を司る脳の領域(内側側頭葉)が縮むということがわかってきています。
アメリカ・カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究チームは、45~75歳の35人を対象に1週間の身体活動量と座っている時間を調べました。
そして、MRI検査で新しい記憶が形成される内側側頭葉を調べました。すると、座りっぱなしの生活だと、たった1週間で、明らかに内側側頭葉の減少が見られました。
さらに、活動量が多くても長時間座っていたことによる内側側頭葉への悪影響は消えないこともはっきりしています。
うつ病、適応障害、燃え尽き症候群

星野スウ / PIXTA
ストレスなどが原因で発症する、うつ病、適応障害、燃え尽き症候群などでも、脳の3つの機能は低下することが多いといわれています。
例えば、燃え尽き症候群では、「小さな判断がうまくできず納期が遅れる」「これまでよりも業務に時間がかかる」「情報の重要度の判断がつかず大事な情報が抜けもれてしまう」「眠れない」などがサインとして現れます。
(広告の後にも続きます)
ストレスは脳にとって一番の大敵

タカス / PIXTA
ストレスを取り除くことは、脳のコンディションを整えることと同じくらい大切といっても過言ではありません。
ストレスは、記憶力の低下、不眠症やうつなどのメンタル不全、生活習慣病をはじめとするストレス性疾患、免疫力の低下など、さまざまな不調の原因になることが、科学的に立証されています。
また、慢性的なストレスにさらされると脳の萎縮で感情のコントロールが難しくなり、「暴走老人化」の原因にもつながるので、注意が必要です。
ストレスは「心理ストレス」と「物理的ストレス」の2種類に分類されます。これらは両方とも脳のコンディションを下げます。
心理的にも物理的にもストレスを受けると、その影響で脳は急性的にも慢性的にも、集中力、記憶力、認知機能、幸福度などの低下を起こします。
特に怖いのが物理的ストレス。自分がストレスと認知していなくても少しずつ蓄積され、脳のコンディションを下げていくからです。
もし身の回りにあてはまる要因がある人は、適切な対策を取るようにしましょう。
心理的ストレスの要因
働きすぎ
人間関係の問題
人間関係の希薄化、孤独
行動意義や目的意識の喪失
物理的ストレスの要因
大気汚染
騒音
密集
高温、低温
睡眠不足