脳の不調を引き起こすNG行動って?機能低下で起こる「感情失禁」とは?【医師解説】

やっても意味がない?NGストレス解消法

takeuchi masato // PIXTA

ストレス解消の方法にも、注意が必要です。

ストレスを感じると、脳は、短期的に気が晴れるようなことをしたくなります。

ここで気を付けたいのが、「興奮」と「満足感」の違いです。短期的に気が晴れる行動は、ドーパミンの大量分泌を促し、「興奮」をもたらすものが多いのです。

ドーパミンが大量に放出されると、欲しくなったものを何が何でも手に入れなければ気が済まなくなります。この衝動は、依存症とも大きく関係しています。

例えば、アルコール依存症の人は、家族とのケンカなどのストレスを感じると、アルコールが猛烈に欲しくなります。買い物で憂さを晴らしたり、大量に甘いものを食べたり、一晩中ゲームをしたりすることも同じです。

これらは「興奮」をもたらしても、「満足感」をもたらさないことが多いので、脳科学的によいストレス解消法とは言えません。

では、ストレスを取り除き、脳のコンディションを整えるには、一体何をしたらよいのでしょうか?

おすすめは、いつもと違うコミュニティに参加したり、自然の写真を見たりすること。これだけでも、脳によい刺激を与えることができるのです!

次回の記事ではさらに詳しく、「脳のコンディション」を 高める方法を紹介します。 
 

※本記事は、書籍『「脳にいいこと」すべて試して1冊にまとめてみた』(サンマーク出版)より一部抜粋して構成しています。

(広告の後にも続きます)

著者:平井麻依子(ひらい・まいこ)さん

スイス在住/医師
ロンドン大学衛生熱帯医学大学院修了。     外資系コンサルティングファームで、日本、マレーシア、UAE、イギリス、スイスのオフィスにて勤務。医薬品医療機器分野のイノベーション戦略を担当。     患者中心の医療に関する出版物・講演多数。2023年、イギリス出張中に視野に異常をきたし緊急入院。その後、脳腫瘍と診断される。スイス・アメリカにて闘病生活を送る。1年で職場に復帰し、現在、自身の体験をもとに、ヨーロッパ最大の脳腫瘍に関わる非営利機関での活動をしている。