不機嫌・老け見えの原因「おでこのシワ」、原因と予防・改善法は?【医師監修】

効果的なおでこのシワ予防・改善方法

おでこに限らず、皮膚にシワが寄った状態が長く続けば、シワが定着して深くなりかねません。予防の徹底がシワ対策には重要です。

スキンケアの見直しが大切

さっぱりした使い心地のスキンケア商品が好きな人も、シワが気になりだしたら、しっとりタイプの化粧水や美容液・クリームを使うようにしましょう。特におでこのシワには、たっぷりの化粧水・美容液・クリームがおすすめです。

眠る前のスキンケアは、おでこのシワを伸ばすように内から外へとマッサージしながら、基礎化粧品を塗り込みます。痛みを感じるほどの強い力でのマッサージは、肌の摩擦や負担になりかねません。「気持ちいい」と感じる程度の力加減が大切です。

スキンケアの仕上げには、手の平を10秒程度おでこに当てる「手アイロン」で締めましょう。

朝、お出掛け前のスキンケアは手アイロンの後、基礎化粧品がなじむまで時間をおいて日焼け止めを塗ります。下地やファンデーションにUVカット効果がうたわれていても、紫外線が強い季節や、すでに刻まれたシワには不十分です。

さらに、おでこだけでなく、帽子や日傘で頭部もしっかり日焼け対策を試みましょう。

美肌を意識した食生活を

美肌を意識するなら、栄養バランスの取れた食事を心掛けたいものです。中でも、皮膚組織に良い影響を与えるコラーゲンやタンパク質が豊富な鮭・卵・鶏肉などは、積極的な摂取がおすすめです。

「アスタキサンチン」という抗酸化成分が多く含まれる赤い色の魚介類は、紫外線や乾燥に強い肌をつくり、シワの予防・改善効果があるとする研究結果があります。鮭以外にも、カニ・いくら・エビなどが、アスタキサンチンが豊富な食品です。

レモンやニンジン・パプリカといった、ビタミンCやβカロチンが含まれる果物や野菜と一緒に口にすると、一層シワの予防・改善効果が高まります。

ボトックスやヒアルロン酸注射

おでこのシワは前頭筋の収縮が原因の場合が多いため、前頭筋の動きを抑えると、おでこのシワは改善します。そのため、おでこのシワ対策として前頭筋の動きを弱めるボトックス注射などを使うのも有効です。

ただし、ボトックス注射は効果がとても高いのですが、眉毛を持ち上げないと目が開きにくくなっている人、つまり眼瞼下垂の可能性がある人は注意が必要です。ボトックス注射で前頭筋の筋肉の動きを弱めると、目が開きにくくなくなることもあるからです。そのため、おでこのシワの改善には眼瞼下垂の手術を行う方が良い場合もあります。

おでこのシワでボトックス注射を検討している場合には、眼瞼下垂の手術も行っているクリニックに相談するのが安心です。ボトックス注射を行って良いかどうか、どの部位にどの程度行うのが良いかを、より専門的に判断してくれるでしょう。

また、シワに直接ヒアルロン酸を注入する、ヒアルロン酸注射のおでこのシワ消しも人気があります。

顔に触れる癖はNG

無意識に顔をこする癖がある人や、頬杖をつく、考え事をするとき顔に触れるといった癖がある人は少なくありません。顔に触れる仕草が多いと、その分、肌に摩擦や圧力をかけることになります。シワだけでなく、シミや骨格の変形などにつながり、たるみジワを招きかねません。

顔に触れるのは、スキンケアやメイク・クレンジング・洗顔などだけに限定すると、肌の負担が減ります。顔に疲れを感じたときのマッサージは、頭部や首まわりを中心に、顔のマッサージはソフトタッチを心掛けましょう。

癖を直ちに改めることはなかなか難しいものですが、顔を触る回数が減るよう、意識するところから始められると良いですね。

やわらかい表情を習慣づける

おでこのシワ予防として大切なのは、おでこに力を入れる表情を減らすことです。特に、目を開くときは、目の周辺の筋肉を使うように心掛けましょう。

まず、「目を開く」「目を細める」「笑顔」のとき、眉やおでこが動いていないか、手をあてて確認します。おでこが動いているなら、こうした表情のとき、おでこの筋肉を使っています。

目の周辺の筋肉で目元の表情をコントロールする練習や、マッサージで目元のコリをほぐすと良いでしょう。また、遠近両用メガネを使用していると、おでこの筋肉を使って目線を変えてしまいがちです。その気はなくても険しい表情になる傾向があります。

おでこのシワ予防として、車の運転やテレビを観るときは遠視用メガネ、手元を見るときは近視用メガネなど、シーンに応じてメガネを使い分けられるとより良いでしょう。

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監修者プロフィール:中野 貴光さん(よしクリニック)

筑波大学医学専門学群卒業。形成外科・美容皮膚科・美容外科が専門。日本形成外科学会形成外科専門医、日本熱傷学会熱傷専門医、日本レーザー医学会レーザー専門医、日本手外科学会手外科専門医、日本形成外科学会小児形成外科分野指導医、医学博士。2019年6月に練馬で「よしクリニック」を開業。