【女の人生】50代「ナチュラル礼賛型女性」の人生と恋・バブル崩壊を経て自然志向になったワケ

30歳を機に、人生を変える

30歳のとき、彼女は会社を辞めた。自宅を売って、母と二人で小さなマンションに住み替える。同時に今までの生活すべてを見つめ直した。

「衣食住、すべて見直しました。体に悪い人工的なものは排除したい、食べ物も農薬や添加物が気になって。そういうセミナーにも出掛けて勉強しました」

そして彼女は、自然食品を売る店でアルバイトを始めた。3年後に正社員となり、今は店でのイベントを仕掛けたり自らレシピを提案したりしている。

「洋服も綿や麻などのナチュラル素材しか着なくなりました。そうしたら長年悩んでいた肌の湿疹も緩和されましたね。年に2回ほどは西日本の離島に出掛けてリフレッシュするのが楽しみです」

環境破壊についても熱心に活動している。人は自然の中で生かされているのだという思いが強い。一般的にこういうタイプの人は「正論」をぶちかまして周りの人を引かせてしまうこともありがちだが、アズサさんはそこについては気を付けているという。

「いくら正しいことを言っていても、周りの人に伝わらなければ意味がありませんからね。活動している仲間内がわかっているだけでは意志が広まっていかない。身近なところで自分ができることは何なのか、プラスチックをなるべく使わない生活をするにはどうしたらいいのか。少しずつ考えていければいいなと思っています。あんまりガチガチになると自分も苦しいしので」

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いつか気持ちを共有できるパートナーに出会いたい

恋愛もしたけれど、相手がそういう問題にまったく関心がなかったため続かなかった。同じ活動をしている人たちの中では恋愛関係には発展しづらい。

「そもそも結婚というものが、もしかしたら究極の不自然かもしれないとも思って(笑)。いつか気持ちを共有できる人とパートナーシップを築ければ嬉しいんですが、特に恋愛が必要だとも思わないですね、今のところ」

仲間内にも独身女性は多い。既婚者の場合は、どうしてもお互いの問題意識における情熱や温度が違うため、意外と彼女の言うような『気持ちの共有』はむずかしい側面もあるという。

「男は外で仕事をしているんだ。ナチュラルなんてものに関わっていられない」と言った男性もいるとアズサさんは顔を曇らせた。