別れと出会いの季節に観たい、友情を描いた映画3選

　別れと出会いが多い3月。人との縁や友情にあらためて感謝するとともに、しんみりした気分を味わっている人も多いのではないでしょうか。今回は、そんな心境に寄り添う、さわやかな友情映画を紹介。友情を描いた映画は数多くありますが、卒業式シーズンにぴったりの学生時代の友情や学校を舞台にした３作をセレクトしました。

友情を取り戻すヒロインの物語、ジェーン・オースティン「エマ」の現代版!?
『クルーレス』

「クルーレス」とは「ダサい女の子」の意味で、ダサいのが嫌いでお洒落が生きがいの女子高生のシェールが主人公。90年代にアイドル的な人気を誇ったアリシア・シルヴァーストーンが主演の学園ものですが、本作がその他のティーン映画と一線を画すのは、ジェーン・オースティンの小説「エマ」を下敷きにしていること。1800年代のイングランドの片田舎を舞台に世間知らずのお嬢様・エマが繰り広げる悲喜劇を、現代（90年代）のビバリーヒルズを舞台にしてみたらこんな感じ、という作品なのです。

　ビバリーヒルズ高校に通うシェールは、リッチな弁護士の父親とふたり暮らし。お洒落が大好きで、ブランド服をコーディネートして通学し、ヒップアップのためのエクササイズも欠かしません。成績アップのために、モテない先生の恋のキューピッド役を買って出たり、転校生でヤク中のタイ（ブリタニー・マーフィ）をお洒落に変身させてあげたりと、日々大忙し。そんなある日、元義兄のジョシュ（ポール・ラッド）が気になりはじめて……。

　今でいうキラキラ女子のシェールですが、実は真面目で恋には奥手。タイを変身させるうちに自分こそが「クルーレス」だと気づき、自分を見つめ直すなかで、友情の大切さにも気づいていきます。シルヴァーストーンの愛らしさと90年代の活気に満ちた青春を楽しめる作品。

『クルーレス』

1995年製作

デジタル配信中

マット・デイモン＆ベン・アフレックのリアルな友情も重なる感動作
『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』

　マサチューセッツ工科大学の数学科教授が学生たちに難問を出したところ、いとも簡単に正解を出す者が現れ、学内は騒然とします。しかも、それを解いたのは学生ではなく、アルバイト清掃員の青年ウィル・ハンティングだったのです。

　孤児のウィルは幼少期のトラウマから周囲に心を閉ざし、荒れた生活を送っていました。教授はウィルの才能を開花させようと心理学者にウィルの更生を依頼しますが、うまくいきません。最後の手段で、教授は不仲の心理学講師であるショーンにウィルを託します。ショーンもまた、妻に先立たれて失意の中にいました。孤独を共有するウィルとショーンは次第に心を通わせ、ウィルは新たな道を歩み出します。

　天才少年と恩師の心温まる交流をメインに描いた作品ですが、ウィルと悪友チャッキーとの熱い友情も感動的です。彼らはつるんで飲んで遊んで、ともに工事現場で働いていますが、急に開けた未来に怖気づいているウィルに対して、チャッキーはこう言い放ちます。「親友だからはっきり言おう。20年たってもまだお前がここに住んでいたらぶっ殺す」と。チャッキーはウィルの才能を認めているからこそ、背中を押してあげたのです。

　ウィルを演じたのはマット・デイモン、チャッキー役はベン・アフレック。彼らは実生活でも幼なじみであり、本作もマット・デイモンが学生時代に書いた脚本をベン・アフレックに見せたことからスタートしており、一緒に映画用の脚本を仕上げ、数年を経て映画化されました。

　劇場公開時には、ほぼ無名だった若い彼らの才能と友情が注目を集め、二人はアカデミー賞脚本賞を受賞しています。デイモンもアフレックも現在50代ですが、相変わらず友情は続いているようです。

『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』

1997年製作

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別れと出会いの季節に観たい、友情を描いた映画3選

友情を取り戻すヒロインの物語、ジェーン・オースティン「エマ」の現代版!?
『クルーレス』

マット・デイモン＆ベン・アフレックのリアルな友情も重なる感動作
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