
モンゴルは鉱物資源に富む国であり、主要鉱物には石炭、銅、ウラン、蛍石などがある。その中でも、近年注目されているのが亜鉛である。本記事では、工業・鉱物資源省の調査をもとに、モンゴルにおける亜鉛の埋蔵量、採掘状況、今後の成長見込みについて詳しく紹介する。本連載では、モンゴルの視点から見た国際ニュースや、同国の政治・経済に関する情報を、現地メディア『The UB Post』より翻訳・編集してお伝えする。
モンゴルの亜鉛資源の現状
工業・鉱物資源省の鉱業部門は、モンゴルにおける亜鉛の将来性について詳細な調査を実施した。本調査では、世界の亜鉛市場、モンゴル国内の亜鉛の地質状況、探査・採掘ライセンス、現在の採掘状況、将来の発展可能性などの要因を考慮している。
モンゴルには、亜鉛を含む複合金属の鉱床が存在する11の鉱山資源地域があり、139ヵ所の鉱床と10ヵ所の主要鉱床(埋蔵量:合計1億670万トン)が確認されている。現状で記録されている亜鉛埋蔵量は218万トンである。
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操業中の亜鉛プロジェクトがもたらす経済効果
現在、5つの亜鉛および亜鉛を含む複合金属鉱床プロジェクトが操業中である。2016年以降、これらのプロジェクトは年間940~2,430人の雇用を創出し、10万~15万トンの亜鉛精鉱を生産・輸出している。
また、2,070億トゥグルグ(約89億円)~6,390億トゥグルグ(モンゴルの通貨単位。約275億円)の売上を計上し、国家および地方予算に44億トゥグルグ(1億9,000万円)~5,170億トゥグルグ(約222億8,000万円)の税金・手数料を納付している。さらに、現在17のプロジェクトが実現可能性調査の段階にあり、今後、亜鉛関連製品の生産が期待される。