Cさんの態度が急変したワケ

あのあと、Aさんのいないところで、Bさんから家計の事情などを聞いたCさんは、自分の至らなさを反省した様子です。

週末、にぎやかな娘家族は帰っていき、家のなかは急にシーンと静まりかえってしまいました。寂しい気持ちもありましたが、このまま何も言い出せずに援助を続けていたら、本当に老後破産に直面してしまったかもしれません。それに、体力的にももたなかったでしょう。

娘や孫の精神的な支えにはなりたいが、金銭面での援助はほどほどにすべきだと、Aさんは改めて思いました。

貯金と年金で穏やかな老後を送ることができる見通しだったとしても、思わぬ出費がかさむことは大いにあり得ます。

親ならば子どもに援助したい気持ちがあるのは当然ですが、「援助すること」と「自分たちの暮らしを守ること」のバランスを取ることが大切です。自分たちの暮らしを守ることが、長い目で見れば家族のためになるのです。

感情のまま援助するのではなく、老後資金を確保した上で、無理のない範囲でお互い支え合っていきたいですね。

石川 亜希子
AFP