私が高校生のころ、母はコンロの火をかけっ放しで2階に干してある布団を取り込んだり、庭の手入れをしたりしていました。沸騰したら笛が鳴るケトルだったので、お湯が沸けば気付いた家族が火を止めることができましたが、煮物の鍋などは焦げ臭いにおいで気付くことも。母は私や父に「近くにいるんだから見てよ!」と怒り、反対に私たちは「ひと声かけてから離れて」と注意。47歳となった今、私は母と同じことをしています。
消したつもりの火で週に3回焦がし続けた鍋
ある日の夜、眠る前にいつものように台所の火の元の確認に行き、右側のコンロのスイッチが入っていることに気が付きました。わが家のコンロは右側だけ一定以上の温度になると自動で火が消えるタイプ。夕飯後にやかんでお湯を沸かしたとき、消したつもりで消し忘れたのに違いありません。「うわ、危ない」と思いました。ところが翌朝、火を消したつもりで洗濯物を干していて、味噌汁の鍋を焦がしてしまったのです。
その後も、私は鍋を焦がし続けました。週に3回鍋を焦がしたときは落ち込み、高校生の息子に話したところ「ボケたら施設に入れるから」と言われ、まずいと思いました。
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気付けば夕方。家事が全然終わらない毎日
自分の家事を振り返ると、洗濯物を干している最中に「ごみ出しをしなくちゃ」と思いついてごみをまとめ始め、今度は「お湯を沸かさなくちゃ」とまとめている途中のごみ袋を台所に置きっ放しにしたままやかんに水を入れるなど、思いつくままに家事に手を出していました。
夕方、区役所から流れる17時の音楽を聞いて、畳まれていない状態の洗濯物やまとめたけれど捨てに行けなかったごみ、整理しようと床に広げた書類など、中途半端な家事の残骸に「今日も全然家事が終わらなかった」と、どっと疲れが押し寄せてくることが度々ありました。若いころはちゃんと家事ができたのに。認知症の検査を受けたほうが良いのかしらと悩みました。
その後、実家に帰った際、私の母と家事の仕方がまったく同じだと気が付き、思いつくままに手を付けるのは、私が年を取り、だんだん母に似てきたからなんだと腑(ふ)に落ちました。でも、今のままでは鍋どころか火事を起こしかねないので、早急に改善策を考えようと真剣に取り組むことにしました。