健康維持に欠かせないホルモンは、なんと100種類以上もあるそう。なかでも50代女性に大切なのが「性ホルモン」「睡眠ホルモン」「甲状腺ホルモン」の3つ。
ホルモンバランスを整える食事法を、栄養学博士で管理栄養士の堤理恵先生に教えてもらいました。

教えてくれたのは・・・
栄養学博士
堤 理恵先生
専門は代謝栄養学。栄養学の基礎研究と臨床をつなぐ〝橋渡し研究〟をテーマとし、味覚障害の栄養ケアや地域特産物の開発などに尽力。講演会やテレビ出演も多く、栄養学をわかりやすく伝えている。

体を絶妙にコントロール!
重要な調整役「ホルモン」

「ホルモン」とは、体内で情報を伝達する化学物質の総称です。
現在、明らかになっているのは、なんと100種類以上。消化吸収や代謝、血液循環、呼吸、免疫など体のさまざまな働きを調節する役割を担っています。

女性ホルモンはよく知られていますが、血液中の糖が増えたときに一定に戻す「インスリン」や、心拍数や血圧を上げる「アドレナリン」などもホルモンの一種です。

各ホルモンの量はごくわずかで、50mプールいっぱいの水の中にスプーン1杯分ほどといわれているそう。
ホルモンは脳の下垂体や膵臓、甲状腺などの内分泌腺でつくられます。分泌されたホルモンは血液にのって、ターゲットとする組織や細胞にたどりつき、作用を発揮します。

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低下したホルモンパワーは
食事でサポートできる

ホルモンの多くは、加齢に伴って分泌量が減っていきます。

「代表的なのが、50代前後で急減するエストロゲンや、DHEAなどの性ホルモンですね。睡眠を司るメラトニンの分泌量も低下してきます」

さらに、50代女性では甲状腺の異常も増えてくることから、甲状腺ホルモンにも気を配ってほしいと、堤先生は話します。

「この3つは50代女性の体調管理に重要で、かつ、食事で整えることもできるホルモンです。毎日の食事でホルモンを整える食材をとり、ホルモンが働きやすい環境をつくっていきましょう」

なお、ホルモンは単独ではなく、連携しながら働いているので、偏りのないよう、さまざまな食材をとっていくことも忘れずに。

年齢とともに減少するホルモン


ホルモンの多くは、加齢とともに減少します。
特に40~50代前後は、女性ホルモンであるエストロゲンが急減。
エストロゲンのもととなるDHEAや、睡眠を促すメラトニンの分泌も低下し、さまざまな不調が起こりやすくなります。

撮影/馬場わかな スタイリング/駒井京子 文/寺本彩

大人のおしゃれ手帖2025年3月号より抜粋
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