40代、50代に増える薄毛や抜け毛の悩み。鏡に映ったつむじを見て「もしかしてハゲてきている?」と心配になることも。人には相談しにくい更年期世代女性の抜け毛と薄毛について、産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。
教えてくれたのは…
監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)
2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。
なぜ更年期に薄毛や抜け毛が増えるの?
若いころは考えもしなかった薄毛や抜け毛の悩み。なぜ更年期になると薄毛や抜け毛が増えるのでしょうか。
「女性ホルモンのエストロゲンは頭皮を柔らかくして代謝を促す役割をしています。更年期にエストロゲンの分泌が減ると頭皮が硬くなって血流が悪くなり、頭皮への栄養分が行き届きにくくなります。また、女性ホルモンが減ることで、抜け毛に関わる物質を生み出す男性ホルモンの影響を受けやすくなります。これらの要因が重なって40代、50代の女性に抜け毛や薄毛が増えてくるのです」(駒形先生)
しかし、同じ年齢でも薄毛や抜け毛の程度には個人差があるように見えます。
「もともとの髪質により個人差が出ます。毛根の量、毛根から出ている毛の量、髪質などで見え方は大きく変わりますよね。例えば同じ毛の量でも、サラサラで細い髪質のストレートの人より、癖があって毛が太い人のほうがボリュームがあるように見えます。ただ、どんな人でも10代、20代のころよりは毛は細く、量も減っていきます」(駒形先生)
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髪型やヘアケアが薄毛や抜け毛の原因になることも
薄毛や抜け毛の原因は加齢や女性ホルモンが減ることだけでなく、髪型やヘアケアも関係していると言います。
「ショートヘアの人よりロングヘアの人のほうが髪が重い分、頭皮への負担が大きくなります。また、長い髪を長時間きつくしばることも負担になります。髪をしばるなら、緩めにしたほうが頭皮や毛根への負担は減らすことができます。さらに、分け目がいつも同じ人は要注意。頭皮に負荷がかかりやすい上に、紫外線の影響も受けやすくなります」(駒形先生)
では、髪のためにはショートヘアのほうが良い?と思いきや……。
「ショートヘアの人はロングヘアの人に比べて、あまりブラッシングしない人も多いですよね。頭皮の血流を促すためには、適度にブラッシングをしたほうが良いです。ただ、髪を引っ張ったり、絡まった髪を無理やりとかしたりと、頭皮や毛根へ負担がかかるようなブラッシングはNG。他にも、ドライヤーの熱を同じ箇所に集中的に当てたり、強い力でシャンプーすることも避けたほうが良いですね」(駒形先生)