名古屋・栄を拠点に活動するSKE48が新曲「Tick tack zack」を2025年3月12日に発売した。SKE48の新曲は18人で担当することが多かったが、今作は12人の少数精鋭で臨む。前作「告白心拍数」担当の18人のうち8人が続投し、センターポジションは引き続き熊崎晴香さん(27)が務める。1作目ではプレッシャーを感じていたという熊崎さんだが、2作目では「『どんとやろう』『私がSKE48のセンターだ』という気持ちで堂々と立っていられるようになった」と自信を見せる。
グループは24年に活動17年目に入り、25年4月には約12年ぶりの「組閣」と呼ばれるチーム再編成が控える。熊崎さん、井上瑠夏さん(23)、初選抜の伊藤実希さん(22)に、2回に分けて新曲や今後の活動に向けた意気込みを聞いた。前半では、楽曲の聴きどころや、センター続投の意義などについて語ってもらった。(聞き手・構成:J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)
ダンスシーンは水上で撮影、カメラマンもびしょ濡れに
―― 「Tick tack zack」とは、珍しい表現です。どんな意味なのでしょうか。
熊崎: 時計の「チックタック」という刻む音をイメージしています。中毒性があるメロディーで、聞いた方は本当に頭から離れなくなると思います。
―― いわゆる「チクタク」なんですね。
熊崎: ダンスもそれに合わせて「ティックタックダンス」です。時計の針を表す細かい振り付けが入っています。
―― ミュージックビデオ(MV)を見ました。集合シーンでは水面のようなところで踊っていますね。
井上: 実際に水の上で撮影をしました。新しいSKE48を見せられると思っています。背景は白と黒で2パターン撮影して、ほぼ1日中水の中にいました。全力でパフォーマンスして、フォーメーションも激しく変化するので、水が結構衣装にかかりながらみんなで挑みました。迫力のあるダンスシーンになっていると思います。
―― ひょっとしたら合成かも?と思っていましたが、本物だったんですね。
伊藤: 最初は少し緊張しながら水の中に入りましたね……!カメラマンさんも、びしょ濡れになりながらメンバー12人それぞれに「寄って」撮っていただきました。
―― 振り入れ(振り付け)は「地上」で行ったと思いますが、スムーズでしたか。
熊崎: 今回は(女性振付師ユニットの)カッチョイイカンパニーさんに振り付けをしていただきました。過去にはカップリング曲「語り合うことから始めよう」でもお世話になったことがあり、今回も本当に映えるダンスの振りをつけてくださいました。みんな首のアイソレ(アイソレーション=身体の特定の部分だけを動かすこと)に手こずったりしながらも、かっこよく見せられるようにたくさん練習しました。
伊藤: 「地上」でも結構苦戦しました。移動もすごく激しいダンスになっていて、水の上ではどうなんだろう?と思いながら練習していました。
―― まず、足を動かすのに力がいるでしょう?
井上: 踊るにつれてだんだん重くなる感覚というか……それも初めての感覚でした。
伊藤: ルーズソックスを履いているメンバーもいて、どんどんどん水を吸って重くなって「たるんたるん」の状態に……。その中で、かっこよく決めながら踊っていました。
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人数減って「間違えたらばれやすい」
MVのダンスシーンは水上で撮影された(c)2025 Zest, Inc. / AMC
―― 全体のシーン以外に、メンバーごとのシーンもありました。井上さんは何かお菓子を食べていましたね?
井上: 私が一番好きな色のピンク色が背景のシーンで、風船もあったり、かわいらしい雰囲気の中で(小型カメラの)GoPro(ゴープロ)を持って自撮りしたりマカロンを食べたり、ちょっと寝そべってみたりしました。とてもお気に入りのシーンです。
伊藤: 私は24年には東京マラソンを走らせていただいたり、(障害物レース番組の)「SASUKE」(TBS)のアイドル予選会で優勝して「SASUKE」本選に出たり、スポーツの面で自分がやりたい活動ができた1年でした。それをスタッフさんが汲み取ってくださって、小中6年間やっていたバスケットボールがテーマのシーンです。服装もスポーティーで、「ザ・スポーツ女子」という感じでMVを撮らせていただきました。
熊崎: 今回の私のソロシーンは、意志を強く持って「頑張っていくぞ」という、かっこいい女性を表現しています。衣装も赤と黒でパキッとして、大人なかっこよさが引き出せるような衣装を用意していただいたので、それに合わせて、いつも以上にクールなメークをしていただきました。自分としては明るい、どちらかというと、いつも笑っている感じの性格で、ファンの皆さんもそういう熊崎をイメージしていると思います。前作をきっかけに、かっこいい熊崎も好きだなと言ってくださる方が増えてきました。今回もそんな姿を見せられるので、「センターだから頑張るぞ」という強い意志を持った、強い表情などを見ていただけたら嬉しいです。
―― 前作「告白心拍数」では18人いた選抜メンバーが、今作では12人と大幅に減り、続けて選抜メンバー入りしているのは熊崎さん、井上さんを含む8人のみです。雰囲気は変わりましたか。
井上: (全員集合しても)「これで本当に全員なのかな?」と人数が少なく感じました。ダンスシーンで、最後に全員が横1列に並んで前に歩いて行く、という振り付けがあったのですが、18人だったら人数が多くてステージに収まりきらないかもしれないと思いました。そういう意味で12人だというのを実感しましたし、新しいSKE48を作っているんだ、とも感じました。
熊崎: 本当に色々なシチュエーションのソロシーンを撮っていただいて、1人1人の個性やキャラが分かりやすくなっているというのは、12人だからこそできたことだと思います。
―― 確かに1人あたりの露出は増えますからね。振り入れのやりやすさは、人数によって変わったりするものですか。
井上: 緊張感はありましたね。
熊崎: 初選抜のいとみき(伊藤さん)も真剣に踊っているのを見て私も刺激を受けて、奮い立たされました。
―― 人数が少なくなると先生から怒られる回数が増える、といったことはありますか?
伊藤: 間違えたらばれやすいですね……!