【日常編】閉店間際のスーパーで気になること


スーパーで買物
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日常生活の中でも、税理士目線で気になる風景があります。ある日少し早く仕事を終えた筆者は、夕食の食材を購入するためスーパーを訪れました。閉店15分前、ギリギリ間に合いました。豚肉の生姜焼きを作るための食材を買い込み、レジへと向かいました。レジは4台。うち3台は早くもレジ締めに取り掛かっています。稼働している残り1台のレジは長蛇の列です。

その列に並んで順番を待っていると、レジ締めをしているレジの方から「こちらへどうぞ」と声がかかり、私はそちらへ誘導されて精算を済ませ、レシートをもらいました。

ここで私が気になること

筆者はこの状況に出会うと、「レジペーパーの控えは保存されているのか」が気になります。売上金は受領して、お客様へレシートは渡されているが、保存用のペーパーは動いているのだろうか?もし動いていない場合、きちんと売上が計上されているかが心配になります。

税務署の事前の調査

気になる理由は、飲食店・小売店の税務調査に立ち会う時、税務署は50%超の確率で事前に数回買い物に来て、そのレシートを税務調査の時に資料として持って行くためです。特に閉店間際にレジを打たずに稼働している場合や、締めながらのレジにおいては、その時間帯の売上金が抜けてしまうことがあります。税務調査官が購入した時のレシートの売り上げが、税務調査時に計上されていない事実が判明した場合、重いペナルティが待っているのです。

最近では、POS管理が徹底しており、ほとんどの事業者は正しく処理を行っていると思いますが、たまに税務調査では問題となることがある調査項目のひとつです。

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税務署はここを見ている!飲食店・小売店の風景 


チェックポイント
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税務署は事前に、数回の買い物をしてレジに足跡を残した上で税務調査にやってきます。ちなみに、美容室、エクステ、ネイルについても女性調査官が事前調査でお客様として来店することもあります。税務署は飲食店、小売店に事前調査に客として訪問した時、次のような内容を観察して、事前の申告内容と照らし合わせています。

 日常のレジの稼働状況(台数)
 閉店間際のレジの状況
 レジ打ちの様子(その事業者又は家族か。それとも身内ではないスタッフか)
 従業員の数(申告状況との整合性)
 客数(年間の売上の申告状況との整合性)
 客単価(特に飲食店の場合)
 レシートの発行状況、領収書の発行状況
 飲食店の場合、予約などがあった時はどのように処理しているか(予約台帳)
 テイクアウトの処理(レジを打っているか。売上が計上されているか)