資産を築くための「固定費最小化」という考え方

では、佐藤さんのように「住居費を抑える」ことは資産形成にどのような影響を与えるのでしょうか? ファイナンシャルプランナーの視点からみると、固定費の圧縮は資産形成において極めて重要です。特に以下の点が影響を与えます。

1.貯蓄率の向上:​固定費が低いほど、貯蓄に回せる金額が増える。これは資産形成の基本です。

​2.投資に回せる余裕:​浮いたお金を運用すれば長期的に資産は増える。​

3.経済的自由の加速:​生活費を抑えることで、リタイア後も資産を減らさずに済む。​

「生活レベルを上げるのは簡単ですが、一度上げたものを下げるのは難しい。だからこそ、最初からシンプルな生活を維持し、資産を減らさずに生きるほうが、長期的にはメリットが大きいんです」

佐藤さんの選択は、すべての人に当てはまるわけではありません。しかし、住居費を見直すことで経済的自由度を高めるのは、多くの人にとって有益な視点となるでしょう。

「富裕層=豪邸暮らし」という固定観念にとらわれず、なにに価値を置くかを考えること。それが、本当の意味での『豊かさ』なのかもしれません。

波多 勇気

波多FP事務所

代表ファイナンシャルプランナー