私は昔から絵を描くのが好きで、夢をかなえて現在はデザイン会社に勤務中。仕事にやりがいを感じ、お客さまを喜ばせるため毎日頑張っています。小規模な会社ですが業績も好調で、多忙ながら充実した生活を送っていたのですが……。まさか「あの人」と再会するとは思っていませんでした。
驚きの再会
会社のエレベーター前で、突然名前を呼ばれた私。振り向くと、目の前にいたのは高校時代の元カレA男でした。
「久しぶりだな、負け組女」
驚く私をよそに、A男はニヤニヤ顔。実は、私たちは良い別れ方をしなかった過去があるのです。高校時代、向こうからの告白を受けて付き合い始めたものの、価値観の違いが浮き彫りになり、関係は破綻。特に、私が大学進学ではなく就職を選んだことが決定的でした。
「俺様のパートナーとして、高卒なんてムリ」と言ったA男に、私は一気に冷めてしまったのです。
その後、A男は私の悪口を周囲に言いふらしたのですが、誰も信じることはなく、大事にはなりませんでした。私は自分の道を進み、就職してデザインの仕事にまい進。そんな中での再会だったのです。
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相変わらず…
どうやらA男は、その日におこなわれるわが社の面接に来たとのこと。私のことも受験者だと勘違いして、マウンティング発言を連発してきました。
「お前さ、社会での自分の立ち位置わかってる? 高卒とか、底辺だって気付けよな~」
相変わらずの学歴主義で高慢不遜な態度に私はため息。反論する気も起こりません。
「受けようとする会社のホームページくらいちゃんと見なさいよ」とだけ告げ、階段で登ることにして、その場を去りました。
A男は、こちらが面接を諦めたと思ってニヤニヤ顔。私の言葉の意味をまだ理解していない様子でしたが、すぐに知ることになるでしょう。