◆60代の日本人経営者が買春ツアーに大挙
![ラオス[児童買春コミュニティ]に迫る!](https://assets.mama.aacdn.jp/contents/210/2025/10/1761558510105_wves2duvt7.jpg?maxwidth=800)
日本からの旅行者を売春宿に案内するラオス人ガイドは、「日本人の客は60代が多く、地方の中小企業の経営者が4~5人集まってやってくる」と証言。
なかには「昼は学校の支援イベントに参加し、夜は売春宿に出かける」といった信じがたいケースもある。
ほかにも、こんな耳をふさぎたくなるような話まで……。
「30代の日本人男性に買われた10歳の少女が、恐怖で泣きだしてしまい、店の管理者に助けを求めました。ところが男性はどうしてもこの娘と性行為をしたいと言い、店に500ドル(約7万5500円)を払って行為を続けた」
500ドルは、ラオスの一般的な買春相場の10倍以上にあたるが、そこまでしてでも幼い少女と性行為をしたかったのだから閉口するしかない。
東南アジアでは数十年前より児童売春が問題視されてきたが、国際的な圧力の高まりを受け、タイやカンボジアでは取り締まりが強化。
近年は東南アジアの中でも経済成長が遅れ、法制度が未整備なラオスに、買春客が流れ込んだとされている。
◆10歳になると村から消える女の子たち
現地の人権団体の調査によると、外国人の買春客のなかでは中国人や韓国人が多いものの、一部の児童売春宿では日本人の存在が大きくなっているという。そしてついに今年6月、在ラオス日本大使館は「ラオスでの児童買春は現地と日本の両方の法律違反となり、処罰の対象になる」という旨の警告文を出した。
それでも、いまだ現地では買春目的の在住者や旅行者が集まる邦人コミュニティが幅を利かせているのだ。
現地のガイドは、ラオスでは10歳前後の少女らが親の借金の肩代わりに売られることが多いと話す。「一般的な仕事だ」と騙され、実際は売春宿に身売りされていた……ということも珍しくない。
ラオスで貧しい村の子どもたちの通学を支援する日本人女性のKさんは「女の子は10歳を過ぎると、村から突如いなくなってしまう」と話す。
「親は『中国人が運営するカラオケ店に行かせるんだ』と話すが、性的なサービスを提供していることを知ってか知らずか、子どもを売ってしまっている」
児童買春は大人の身勝手な性的搾取にすぎない。欧米諸国では国外でも児童の性的搾取に関する犯罪の取り締まりが強化されており、日本も早急にその後に続くべきだろう。
そして、貧しい子どもたちにとって、本当に必要な支援とは何かが、今、問われている。
〈取材・文・写真提供/泰 梨沙子〉
―[ラオス[児童買春コミュニティ]に迫る!]―
【泰 梨沙子(はた・りさこ)】
共同通信グループ系メディアで記者を務める。’21年に独立。フリージャーナリストとしてタイ、ミャンマー、カンボジア、ラオスの人道問題について執筆

