◆マウンドの感覚を確かめておくことも必要だった?
佐々木はベンチやブルペンでWSの空気を味わうことができているが、緊張感ある実際の試合は未登板。第2戦は4点リードで最終回を迎え、佐々木にロジャースセンターのマウンドを経験させるにはうってつけの展開だったが、ロバーツ監督は山本の続投を選んだ。山本は4回以降パーフェクト投球を見せていただけに、変に流れを変えたくなかった側面もあったと推測できるが、第6戦が生じれば再びトロントに舞台が戻る。佐々木にマウンドの感触を確かめさせておいても良かったのではないだろうか。
◆山本由伸の第6戦登板への影響は?
ドジャースにとって2つ目の不安要素が、その山本の球数が105球に上ったことだ。同じ年のPSで2試合連続完投勝利を記録するのは、実に24年ぶりの快挙となったが、山本の球数は前回に続いて100球を超えた。これで9月以降に山本が1試合100球を超えるのは5試合目となった。2023年まで所属したオリックス時代に、それ以上の球数を投げることも珍しくなく、慣れているとはいえ、独特の緊張感に包まれる中での2試合連続100球超えは数字以上の疲労につながってもおかしくない。
もし第6戦までもつれれば、山本は中5日で再び敵地でのマウンドに上がることが予想されている。シリーズを長い目で見れば、8回93球を投げたところで佐々木にマウンドを譲っても良かった。
山本自身、今季は中5日の間隔で投げた試合は防御率2.68と安定しているが、中6日以上のときの2.20にはやや劣る。そういう意味でも、第6戦で105球の代償が伴わなけれがいいが……。

