「向ヶ丘遊園」の閉園と「ばら苑」のその後
長い間、人々に愛された「向ヶ丘遊園」でしたが、時代の流れと共に、他の大型テーマパークの台頭などにより、徐々に来園者数に影響が見られるようになりました。そして2002年3月31日に、「向ヶ丘遊園」は惜しまれながら閉園となりました。
「向ヶ丘遊園」は閉園となりましたが「ばら苑」の存続を強く希望する市民の声を受け、川崎市が「ばら苑」とその周辺の土地(7.4ha)を購入し、「生田緑地ばら苑」として存続することになりました。

2005年には、「生田緑地ばら苑ボランティアの会」が発足し、20年間に渡りバラの育成管理や苑の維持管理などに協力してきました。また、春と秋の一般公開時には、ボランティアによる苑内ガイドツアーなども行われました。
続けて2007年からは、日本ばら会による講習が始まり、2008年には、ばら苑開苑50周年記念として「イングリッシュ・ローズコーナー」が増設されました。


2011年頃には、「オールドローズガーデン」が増設されましたが、このエリアは、小田急向ヶ丘遊園園芸部に入社され、1977年から約6年間「向ヶ丘遊園ばら苑」の責任者を務められた村田晴夫さんと、ボランティアが中心となって創り上げたものでした。



苑内には、モダンローズを中心に、野生種のバラやオールドガーデンローズも見られます。
また香りのバラや、殿堂入りのバラも紹介されています。特に、アーリーモダンローズ*の希少種が植栽されていることも、こちらのばら苑の魅力の一つです。
*アーリーモダンローズとは、モダンローズ第1号‘ラ・フランス’が作出された1867年から、約50年の間に誕生したモダンローズの総称とされています。



ぜひ、ばら苑にいらした際は、これらの古い時代のバラを探して、それらのバラが誕生した時代背景に想いを巡らせてみてください。バラの美しさだけでなく、バラの背景に広がる物語が見えてくるかもしれません。
バラ咲く季節に開催されたイベントの思い出

昨年2024年の秋の一般公開時には、「川崎市政100周年及び全国都市緑化かわさきフェア記念」のイベントがさまざまに企画・実施され、そのなかでも、2024年10月20日には「生田緑地ばら苑」にて「近接バラ園とのミニ・シンポジウム」が開催されました。
登壇者には、神代植物公園園長の松井映樹氏、京成バラ園副園長の佐々木猛氏、練馬区立四季の香ローズガーデンガーデナーの小河紀子氏、横浜イングリッシュガーデンガーデナーの黒田智史氏、オブザーバーとしてバラの育成に取り組んでいらっしゃる企業から住友化学園芸(現KINCHO園芸)の牛迫正秀氏、そして会場である川崎生田緑地ばら苑苑長の有賀眞由美氏。私は司会進行役を仰せつかり、シンポジウムではバラに関する興味深い意見が交換されました。

2024年11月3日には、「ブルガリアデイ」が開催され、駐日ブルガリア共和国マリエタ・アラバジエヴァ大使、ブルガリア共和国大使館文化部のクツアロヴァ・エレナさんがいらっしゃり、川崎市藤倉茂起副市長がお出迎えされました。大使からは温かいご挨拶を賜り、クツアロヴァ・エレナさんによる「ブルガリア文化とバラ散歩」と題したトークショーがありました。その後、ブルガリアンダンスの公演、最後は皆で踊り親交を深める貴重なひとときとなりました。

2024年11月4日は、日本ばら会講師によるトークショー、演奏やワークショップが開催され、私も「いにしえから続くバラと人との物語」と題したトークショーをさせていただきました。
