◆覚醒剤を「1日1グラムやっていた」
――薬物依存の程度はかなりひどいものだったのでしょうか。りさぴい:錯乱していたときには、まったく知らない人の自宅にあがりこんで警察を呼ぶように助けを求めてしまい、けれども実際に警察官が到着する前に走って逃げるというような、常軌を逸した行動をしていました。末期のときは覚醒剤を1日1グラムやっていましたから、“ほんの遊び”の域ではなかったと思います。
――どうやって立ち直ったのでしょうか。
りさぴい:通院と入院を繰り返して、もとからの人間関係を絶ちました。かつでは売人と交際していた時期もありましたが、当時の自分と決別したのが大きかったと思います。
――お母様も心配されたのではないですか。
りさぴい:そうですね。ただ、遠くで治療をすることを決めたとき、母は泣いてくれましたが、私は母に優しくできませんでした。そればかりか、母に向かって「私は薬物で死ぬって決めているから」というようなセリフを吐いたと思います。母も、「それなら娘は死んだと思ってこれから生きていく」という趣旨の返答をしてきました。現在では世間話ならできる程度にはなっています。
◆“妹のような存在の親友”とのつらい別れ
――元彼氏さんの死以外にも、つらい別れを経験したと伺っています。りさぴい:27歳のとき、妹のような存在の親友を亡くしています。不思議なことに、同じメンタル系の病気を患っていたり、同じ場所に同じ模様の刺青を入れているなど、共通項の多い子でした。生い立ちも似ていて、とても可愛がっていました。一緒に住んでいた時期もあります。
私たちは何かつらいことがあるとすぐにSNSに「死にたい」と逃避的な言葉を書く傾向がありました。やがてそれは日常茶飯事なので気にも止めなかったのですが、ある年クリスマス近く、彼女がSNSに電車のホームの写真を載せていました。連絡もつかず、誰に聞いても所在がつかめません。私は嫌な予感がして、警察署に電話で問い合わせました。すると、「人身事故があった」と教えてくれました。ご遺体はしばらく身元不明だったのですが、警察の調べで彼女であることがわかりました。大切な半身を亡くしたことで、精神的にかなり落ち込みました。

