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『月曜から夜ふかし』BPOの放送倫理違反に鈴木おさむが感じたこと「長寿化したバラエティ番組の構造がもはや健全ではない」

『月曜から夜ふかし』BPOの放送倫理違反に鈴木おさむが感じたこと「長寿化したバラエティ番組の構造がもはや健全ではない」

◆解決策は「シーズン制」の導入

 10年以上も続くバラエティ番組は、今やテレビの象徴のように見えるかもしれない。でも、僕はそこに「健全さ」はもうあまり感じない。昔は『ドリフの8時だョ! 全員集合』が16年も続いたことに驚いていたが、今、16年を超える番組は結構ある。昔よりも視聴率のデータなどが詳しく出ることにより、番組が一度ヒットするとテクニカルに長続きすることはできてしまう。

 だが、10年、20年と続くうちに、最初の熱も、笑いの原点も、どこかで薄れていくことが多い。視聴者の感覚も時代も変わっていくのに、同じフォーマットの中で数字を取り続けて、無理に長生きさせていることが、「健全」ではないと思ってしまう理由だ。

 僕はそろそろ、バラエティにも「シーズン制」を導入していいと思う。ドラマのように「2クール・20本」で一区切りにする。反響があれば、半年後にまた次のシーズンを作ればいい。番組にも“呼吸”が必要だ。作る側も、視聴者も、一度離れて、また会いたいと思えるような距離感を持つこと。そのほうが、結果的に長く愛されるはずだ。

 バラエティは、日常の中のガス抜きであり人を笑わせるための装置だ。でも、笑いを作る側が「笑えない状態」で続けたら本末転倒だ。「面白くしなきゃ」と肩に力が入りすぎると、笑いは歪んでしまう。みんながもう一度、バラエティの「原点」を考える時期に来ているのかもしれない。

鈴木おさむ
鈴木おさむ
<文/鈴木おさむ>

【鈴木おさむ】
すずきおさむ●スタートアップファクトリー代表 1972年、千葉県生まれ。19歳で放送作家となり、その後32年間、さまざまなコンテンツを生み出す。現在はスタートアップ企業の若者たちの応援を始める。コンサル、講演なども行っている
配信元: 日刊SPA!

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