花を飾ると、見慣れた部屋も新鮮に感じ、気持ちまでエレガントに彩られていく。玄関、キッチン、リビング、ベッドルーム、お気に入りの棚の上……、日々の暮らしに花が欠かせない画家・佐藤翠さんに、飾り方のヒントを教えてもらいました。&Premium特別編集「センスのいい人は、何が違う?」より、webで特別に紹介します。
迎え花をたっぷりとシンメトリーに配置。

花をモチーフにしたペインティングで知られる佐藤翠さんの家は、一つの部屋の中でも花が複数箇所に飾られている。360度あらゆる場所にある印象だ。
もともとはそれほど花に興味を持っていなかったが、20代後半にロンドンに滞在した際、住んでいたアパートの隣に咲いていたライラックを眺めているうちに、花弁一つ一つが繊細なジュエリーのような美しい造形をしていることに気づく。そこから花の魅力に惹かれていったそう。
「その後、1年半くらい、パリで暮らしたのですが、そこで庭園や花屋にも足を運ぶようになり、本格的に花にのめり込んでいきました」
リビングダイニングでは庭で育てているビオラがさまざまな器に飾られ、玄関ではシンメトリーに配されたピンクとイエローのバラが出迎えてくれる。
「飾るときは自然の佇まいを大切にしています。部屋の中に植物があると、空気感や雰囲気が変わるのを感じられて、パワーをもらえるんです。そのおかげで、心にゆとりが生まれてくるのか、前向きな気持ちになれる気がします」
バラは育種を手がける静岡・三島の『市川バラ園』に定期便を依頼。毎月、数種が送られてくる。今回は5種が届けられたので、それをミックス。
「白い磁器に春らしい色をたっぷり飾ると、玄関が華やかになります。植物の色の美しさや造形の素晴らしさは、絵を描くときにも刺激を与えてくれます」

佐藤翠画家
服や靴が並ぶクローゼットや、花をモチーフに、油彩やアクリルで作品を描く。主な個展に『Dress of Flora-フローラのドレス-』(小山登美夫ギャラリー天王洲/東京/2024年)、『FLOW』(Gana Art Bogwang/ソウル/2023年)など。
photo : Kazumasa Harada illustration : Shapre text : Wakako Miyake
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&Premium MOOK &Sense / センスのいい人は、何が違う?
あの人はセンスがいい、というときの“センスがいい”とは、いったいどういうことなのでしょうか。さりげなく美しかったり、無理していなくてもかっこよかったり。「センスのいい人」は、押し付けがましいところがなくて、自然体で素敵な人。Better Lifeのお手本になるような人なのではないでしょうか。漠然としているけれども確かに何かが違う、“センスがいい”ということについて、ライフスタイルからファッション、カルチャーまで、さまざまな角度から探ってみることにしましょう。これまでに特集してきたコンテンツから、「センス」「エレガンス」そして「スタンダード」をキーワードにした読み物を、一冊にまとめてお届けします。
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