国際市場での展開と未来戦略
「ラ・コート・ラスコンブ 2022年」の発売は25年9月。醸造チームは、23年、24年とヴィンテージを重ねることで、この区画のテロワールが一貫した品質とスタイルを生み出すことを確認した上で、満を持してファーストヴィンテージを市場に送り出した点に注目したい。初年度の生産量は約20,000本。 業界関係者の間では200ユーロ程度の市場価格が予想されている。
「私たちは過去の栄光にとらわれるのではなく、未来に向けた新たな伝統を創造したい」とローレンス・Jr.氏が語るように、今回の「ラ・コート・ラスコンブ」の発表は、歴史あるシャトーが現代の消費者に向けて送るメッセージであり、テロワール表現への新たなアプローチを示すものといってよい。同時に、ゲイロン・ローレンス・Jr.氏の アメリカ的な革新性とヨーロッパの伝統を重んじるアクセル・ハインツ氏の絶妙な融合によるものだ。

パリの美食とクリスタルが融合した輝きの空間「デュカス・バカラ」
発表昼食会が行われたレストラン「デュカス・バカラ」は、アラン・デュカスと、260年以上の歴史を誇るクリスタルブランドのバカラが手を組んだ、美食とアートが融合する施設だ。レストランのコンセプトは、「バカラの世界観を料理を通して味わう」ことで、シェフのクリストフ・サンターニュ氏とロビン・シュローダー氏が、アラン・デュカスの哲学を受け継ぎ、旬の食材をふんだんに使用した、季節感あふれるエレガントな料理を創り出している。もちろん、料理が盛り付けられる食器やグラスはすべてバカラ製。クリスタルの輝きが、テーブルを一層華やかに彩る。
当日のメニューは「3種の小皿料理」にシャンパーニュ『ピエール・ペテルス - レスプリ・ブラン・ド・ブラン グラン・クリュ 2018年』

「春野菜、プロヴァンスの庭」(左)に『シャトー・ラスコンブ』2023年と2016年。「白身魚のヒメジ、サリコルニ(海藻)、豚の耳」(右)に『シャトー・ラスコンブ』2022年と2010年

「ほろ苦いアクセントのカカオニブを添えた牛肉」(左)「海藻とジャガイモ」(右)に『ラ・コット・ド・ラスコンブ 2022年』

「24カ月熟成コンテチーズとサン・ネクテールチーズ」(左)、「桃、ラズベリー、レッドカラント、ルッコラ」(右)に『シャトー・ラスコンブ 1985年・ジェロボアム』『シャトー・ラスコンブ 1970年・マグナム』

