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ついうっかり、女はしがちだけど…。男性が、“恋愛対象外”とみなすデート中の言動とは

ついうっかり、女はしがちだけど…。男性が、“恋愛対象外”とみなすデート中の言動とは

今週のテーマは「二度目のデートでカジュアルダウン。それ以降、男から連絡が来ない意味は?」という質問。さて、その答えとは?

▶【Q】はこちら:初デートは高級フレンチ、2回目のデートは居酒屋をチョイス。35歳男性の意図は?



美沙と二度目のデートを終え、見送ったあと、僕は飲み足りなかったので西麻布にある知り合いのワインバーに顔を出した。

「孝之さん、今日はどんなご気分で?」
「重めの赤で」

綺麗な紅色を見ながら、思わずため息が出た。

今日で会うのは二度目だった美沙。可愛いし、良い子だと思う。それに紹介してもらった由佳の顔を立てる意味でも二度会った。

しかし、二度のデートで僕は何とも言えない思いを感じていた。

「これをされちゃうと、恋愛対象ではなくなるのになぁ」

そんなひとり言を、カウンターで呟く。

美沙は二度のデートで恋愛対象にならないような言動を取っていた。それは、女性ならば、もしかしたら“うっかり”してしまうことかもしれない。


A1:愚痴が多い子だなと思っていた。


美沙とは、昔から仲良くしている由佳の紹介で出会った。「可愛い子がいるから紹介させて」と言われ、僕もちょうど彼女を探していたので会うことになった。

由佳は「行かない」と言うので、最初から二人で会うことになる。

店選びは悩んだけれど、自家栽培の野菜が中心のコース設定で雰囲気も良く、女性のツボを押さえたような、外苑前にある『プレヴナンス』を予約した。



どういう子が来るのか少し緊張しながら待っていると、店員さんに案内された美沙がやって来た。

「美沙、さんですよね?初めまして。孝之です」
「初めまして。美沙です」

小柄で愛らしく、可愛い雰囲気満載の美沙。年齢は28歳で35歳の僕より7歳年下だと聞いていたけれど、もっと若く見える。

初対面のため、二人とも何から話せば良いのかわからず、一瞬の沈黙が生まれてしまった。

「緊張しちゃいますよね、急に二人なんて。とりあえず、何飲まれますか?シャンパンで良いですか?」

積極的に話しかけて、まずは仲良くなれるように試みる。

「もちろんです!ありがとうございます」
「美沙さん、普段お酒は飲まれますか?」
「はい。特にシャンパンが好きで」
「そうなんですね!じゃあ今日の店選び、間違っていなかったですね」

店のおかげで美沙も笑顔になり、さらに美味しい食事が進むにつれて、どんどん饒舌になっていく。



「さすがですね。孝之さんって、グルメなんですね」
「仕事柄、会食が多くて」

美味しい店は、知っている方だと思っている。

それよりも、あまり美沙の前情報を由佳から聞いていなかったので、僕は色々と質問をしてみることにした。

「美沙さんのお仕事は?」
「私は、損保です」
「そうなんですね。新卒から?」
「はい。でも転職したり、結婚して退社したりで周りがどんどんいなくなっていき…最近、寂しいんですよね。特に女性の同期は、半分以上が辞めてしまって」
「そうなんですね」

ただ、僕の聞き方が悪かったのだろうか。ここから急に、美沙は愚痴っぽくなった。

「その分、残った女同士のマウント?みたいなものが激しくなっていく一方で」
「そんなことがあるんですか!?」

女同士の争いは大変だとよく聞く。しかしこれが、初デートでする話題なのだろうか。

「男性にはないかもしれないですが。『次は誰が結婚するのか!』みたいな牽制のし合いがあるんです」

― ちょっと面倒だなぁ。

そう思いながらも、もちろん顔に出すわけにはいかない。だから適当に相槌を打ちながら、ふんふんと聞いていた。

しかしそれでも、美沙の話は止まらない。

「もちろん、結婚したあとも辞めずに活躍している人もいますけど…。ただ結婚したら、『次は誰が出産?』と」
「女性は大変ですよね」

ここまで言い切ると納得したのか、美沙はようやく話を変えてくれた。

「ありがとうございます。ちなみに…孝之さん、結婚願望はありますか?」
「もちろん、ありますよ。早く結婚して、家庭を築きたくて」

初デート、本来はこういう話をすべきではないだろうかと思ったが、結局デートらしい会話はこれくらいで、あっという間に食事が終わる時間が来てしまった。

そしてデート終盤で、次の食事へ誘ってきてくれた美沙。

「そうなんですね!良かった。あの…良ければ、またお食事ご一緒させて頂けませんか?」

今日はほぼ美沙の愚痴と相談だけで終わってしまったので、僕としても、もっと美沙のことを知りたいと思う。

だからもう一度、食事へ行くことにした。

しかし二度目のデートで、僕は完全に彼女を恋愛対象から外すことになる。


A2:最初から相談をされると、恋愛対象ではなくなる。


しかし2度目のデートの約束をしたものの、結局1ヶ月も空いてしまった僕たち。たぶん、これくらいから答えは出ていたのかもしれない。

2度目のデートは、悩んだ結果前回とは違う趣の店にした。

前回はかなり気合を入れていたけれど、今回はもうどうなるかわからない。

― そこまで気合を入れる必要はないかな…。

何が何でも、美沙を落としたいわけでもない。でもせっかく食べるなら、美味しいところが良い。そう思い、僕がたまに行く、西麻布にあるこぢんまりとした、居酒屋寄りの小料理屋を予約してみた。

「今日もお店を選んでくださり、ありがとうございます」

たぶん、店の雰囲気を見て想像していた感じと違っていたのであろう。それでもちゃんとお礼を言ってくれる美沙の態度は、とても好感度は高い。

そして実際に食事が始まると、とても美味しそうに食べてくれている。



「…美味しい!」
「でしょ?外観はちょっとイメージと違うかもしれないけれど、本当に美味しくて。お気に入りの店なんですよ」
「そうだったんですね。さすが孝之さん、グルメですね」
「良かった、喜んでもらえて」

― 良い子なんだよな。

改めて思ったが、やっぱり途中から雰囲気が変わってきた。

「孝之さんって、優しいですよね」
「そうですか?」
「優しいってよく言われません?」
「どうだろう…下に妹がいるからかな。女性には優しくするものだと、親から教えられてきたので」
「孝之さんに妹さんがいること、わかる気がします。会うと安心するというか、何というか…。つい相談したりしたくなっちゃうんですよね」

― あぁ、こっちのパターンか。

なぜか、僕は昔からよく人に頼られる。別に頼られるのが嫌なわけではないし、むしろ好きなほうだと思う。人が困っていると助けたくなるし、手を貸してあげたくなる。

「たしかに、頼るより頼られる場面の方が多いなぁ。美沙ちゃんは?ご兄弟は?」
「私は末っ子です」
「あ〜何となくわかるかも」

でも、恋愛となるとそれが当てはまらない場合もある。

好きな人には甘えたいし、弱い部分を見せたくなる時もある。

ただそれは上手く行かないようで、美沙のように、初回から愚痴を言われて相談に乗ったりすることが多い。

今日だって、途中までは良かったのに、気がつけばまた相談話だ。



「そういえば、この前孝之さんに相談をさせて頂いた、仕事の話なんですけどあれから続きがあって」
「ほう。どうなったの?」
「同期がたくさん辞めていくって言ったじゃないですか。だから私も、転職しようかなと思っているんです」
「挑戦するのは良いことだからね。ちなみに何系に転職するの?」
「保険の仕事は好きなのですが、外資系の保険会社へ行くか。それか、まったく別の職種へチャレンジするかで悩んでいます」

― 僕、転職エージェントなのかな。

別に、これが付き合っている彼女だったり、奥さんだったり。はたまた、仲の良い友人や、かなりデートを重ねている相手ならば全然良い。真剣に話を聞くし、一生懸命相手のために何がベストか考える。

しかし美沙は、まだ2度目のデートだ。

しかも初回から相談モードで来られると、恋愛対象として見られなくなり「この女性と絶対付き合いたい」とは思わない。

「美沙ちゃんならどこでも活躍できそうだけどね」

適当に流しながら、僕の頭の中は全然違うことを考えていた。

― このデート、つまらないな、と。

結局適度な愛想笑いとツッコミを入れつつ、デート自体は盛り上げた。しかし別に恋愛として好きという感情も湧かなさそうなので、このデート以降、僕から美沙に連絡をすることは無くなった。


▶【Q】はこちら:初デートは高級フレンチ、2回目のデートは居酒屋をチョイス。35歳男性の意図は?

▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟

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男がイキがった結果…


配信元: 東京カレンダー

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