◆節約したいと思いつつ、抑えきれない?
日本生活協同組合連合会は「「節約と値上げ」の意識についてのアンケート調査」を行っています。それによると、「現在節約しているもの、今後節約しようと考えているもの」との質問で「菓子・おやつ」の回答はトップの41.8%でした。一方、「直近3か月で、値上がりによって購入頻度や量が減ったもの」との回答では、デザートや果物が上位を占めており、「菓子・おやつ」は25.7%でした。消費者は、お菓子については節約したいと強く思っているものの、実際には購入頻度を抑えきれない実態が浮かび上がります。
足元ではコンビニの苦戦が目立ちます。こうした調査からは、消費者がより安い場所を選んで購入している実態が浮かび上がってくるのです。すなわち、目的を持った顧客の来店を促せる店が強みを発揮する時代になったと言えます。
「おかしのまちおか」はお菓子に特化し、安いという特徴があります。インフレ下の今、消費者がわざわざ足を運ぶ理由があるのです。
◆注目したい「スポット商品」と「陳列」
「おかしのまちおか」は低価格であることが競争力の源泉ですが、その背景にあるのがスポット商品。スポット商品とは賞味期限が迫ったものや季節性のある商品、製造過多となったものを指します。これらはメーカー側で過剰在庫になりやすいため、「おかしのまちおか」は安く仕入れ、店舗網を使って大量に販売することができます。
「おかしのまちおか」のスポット商品は売上全体の50%。定番以外のお菓子の比率が高く、安さと珍しさが集客フックになっていることがわかります。
そして、ドン・キホーテのように商品を積み上げた陳列方法も特徴的。路面店やショッピングセンターでそれを見かけると、わくわく感が醸成されます。家族で近くを通りかかれば、子供たちが引き寄せられて思わず購入することもあるでしょう。
最近では外国人観光客が、非日常的な店の雰囲気に引き寄せられて購入する姿を見かけるようになりました。目的を持った来店客の他にも、お菓子特化型という独特な店舗が通りがかりの人々の誘引力にもなっているのです。

