ワイキキだけではない「分散型高級リゾート時代」へ
これまでのハワイ不動産市場は、ホノルル市内、特にワイキキやアラモアナを中心に高級コンドミニアムの開発が集中してきました。しかし、土地供給には限界があるため、開発余地は年々減少しているのが現状です。
こうした状況を背景に、「コオリナ」や「ノースショア」といった郊外型の高級リゾートエリアへの注目が以前にも増して高まっています。実際、これらの地域ではアメリカ企業を中心とする競合開発業者によるプロジェクトが、非常に速いスピードで進行中です。
さらに、テレワークや長期滞在型のライフスタイルが定着したことで、観光リゾート地の象徴であるワイキキではなく、より自然環境に恵まれ、広大な土地が広がる郊外エリアに対する需要も増加しています。これにより、富裕層の新たなセカンドホーム需要を取り込むポテンシャルは非常に高いといえます。
これらのプロジェクトはいずれも完成までに数年を要しますが、完成時にはハワイ不動産市場の勢力図を塗り替える可能性を秘めています。今後、富裕層投資家が注目すべきは、単なる立地やブランドだけではなく、エリア全体の持続性とライフスタイル提案力です。静かに進むこれらの開発こそ、ハワイ不動産の次の10年を形づくる“静かな革命”とも呼べるでしょう。
栗原 なな
株式会社Crossover International
