◆隣の席からパワハラ係長へ“口撃”した結末…
すると、農家仲間の1人は店員にビールのおかわりを頼む際、「あちらの席の男性の喋る声が大きいので、少しボリュームを下げるようにお願いしてもらえませんか?」と言ったのだ。もちろん、これはあのパワハラ係長のことで、本人も自分のことだと気づいたのだろう。パワハラ係長はこちらを睨んできたが、彼は逆にこの係長を睨み返した。これに恐れをなしたのか目線を逸らしてしまう。ただし、この農家仲間は追撃の手を緩めない。「未だにああいうパワハラまがいのことする奴はまだいるんだな。今は令和の時代なんだし、いい加減アップデートしろ、っつーんだよ」と口を開けば、もう1人の農家仲間も「あれってパワハラ、アルハラだっけ? サラリーマン時代を思い出した」と援護射撃をする。
これはマズいと思った小林さんは2人をたしなめたが、パワハラ係長は関係のない第三者からこのような形で非難されて居心地が悪かったのだろう。その後すぐにお開きとなり、そそくさと店を出て行ったそうだ。
◆被害者から届いた感謝のメッセージ
翌日、友人から「弟から話は聞いた。助けてくれてありがとう」とLINEが届いたとのこと。弟本人からも「スカッとしました!」と、お礼の連絡をもらったそうだ。「会社を辞めようか悩んでいたらしく『踏ん切りをつけるいい機会になりました』とのことで、それからしばらくして別の会社に転職したとの報告もありました。私と一緒にいた同業の仲間にも感謝していたため、そのことを教えると2人もすごく嬉しそうにしていましたね。まあ、一歩間違えたらケンカになってもおかしくなかったので、そこは注意しましたけど(苦笑)」
飲食店のような場所でこうしたハラスメントは、直接関係のない第三者にも不快な気持ちを与えてしまう。せっかく楽しいお酒を飲んでいる時にこんな場面には間違っても遭遇したくないものだ。
<TEXT/トシタカマサ>
【トシタカマサ】
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

