
◆“微笑みの国”を勘違いする日本人たち
タイは“微笑みの国”として知られ、旅行者の多くがタイ人に対して「笑顔」と「穏やかな対応」という印象を持つ。ホテルやレストラン、美容室など、接客業の現場ではスタッフが常にフレンドリーに接してくれる。しかし、その笑顔を「自分に好意がある」「誘っている」と勘違いする日本人男性も少なくない。特に60代前後の中高年世代にその傾向が強く、「日本では冗談で済む」「嫌なら断るはずだ」といった古い感覚が、海外でも通用すると思い込んでいる様子。
だが、その笑顔はあくまでサービスの一環であり、性的な同意とはまったく別物である。その区別がつかないままボディタッチをしたり、下品な冗談を口にしたりすれば、相手に恐怖や不快感を与える結果になる。
◆パタヤ滞在中の筆者が見た「日本人の昭和的おじさんノリ」

タイ人は実際おおらかな性格であるものの、その「ゆるさ」が、時に日本人男性のモラルを甘くさせる。
それはタイ人女性に対してだけではない。日本人同士が集まる飲み会で女性にお酌を強要したり、セクハラまがいの発言をする中年男性も少なくない。現地の日本人コミュニティでも、タイトなウェアを着た女性が盗撮されたという話も聞いた。目撃した人が注意できなかった理由は「逆恨みされるのが怖いから」だったとか。もちろん、個人同士の関係性もあるが、セクハラや盗撮は当たり前・仕方ないという空気になってしまっているのだ。

