◆カークとスミス、守備でも明暗…
さらに両選手を大きく隔てているのが、守備での貢献度だ。近年よく耳にするフレーミングという捕手の技術がある。際どいコースに投じられたボール球をミットの動きなどでストライクに見せるものだが、カークの今季レギュラーシーズンのフレーミングは、規定を満たした57人の捕手の中で堂々の2位。WSでも際どいボール球を何度もストライクとコールさせている。
一方、ドジャースのスミスはというと、フレーミングの順位は57人中なんと56位。ことフレーミングに関しては、リーグ屈指のカークと最悪レベルのスミスが明暗を分けている。
さらにブロックの技術力を示す指標でも、カークはメジャー全体1位を記録。規定に達した65人中48位のスミスに、この指標でも大きな差をつけている。
実際、WSでの暴投数はブルージェイズの1つに対して、ドジャースは5つ記録。第5戦の“魔の7回”にバッテリーミスが重なったのは、決して偶然ではないだろう。
◆“ラッキーボーイ”起用の可能性は?
第5戦で大谷の直後の2番打者を任されたスミスだが、直近2試合は攻守ともにやや精彩を欠いている。やはり、第3戦で2試合分を守り抜いたこともその一因となっているのではないか。そんな中、一部のドジャースファンから聞こえてくるのが、控え捕手のベン・ロートベットを思い切って起用すべきだという声。本シリーズはいまだ出番がないロートベットだが、レギュラーシーズン終盤からポストシーズン序盤にかけて、強気なリードで投手陣を引っ張っていたことは記憶に新しい。
もちろん打撃力はスミスに遠く及ばないが、疲労度合などを鑑みれば、2連敗中の嫌な流れを断ち切るためにも、“ラッキーボーイ”にチャンスを与えてもいいのではないだろうか。
ドジャースファンのロートベット待望論は、果たしてロバーツ監督の耳に届くのか。いずれにしても、第6戦を前にドジャースは何かしらの策を打ちたいところ。それができなければ、WS連覇の夢は、はかなく散ってしまうかもしれない。
文/八木遊(やぎ・ゆう)
【八木遊】
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。

