◆娘から突然言われた「お母さん、ウソついてるでしょ」

「15歳です。中学3年生になりました。たまに『思春期だから放っておいて』なんて言われることもありますが、基本的には仲良しです」
——娘さんは友田さんの仕事のことは知っているのですか?
「はい。正確には“知っていた”ですね。小学校5年生の時に、もうすでに知っていると発覚しました。私は仕事の話を娘に伝えるのが怖かったので、もう少し分別がつく年齢になってから言おうと思っていました」
——どういう経緯でわかったのですか?
「ある日、車の中で急に『お母さん、ウソついてるでしょ』と言われたんです。『何のこと?』と聞いたら、『仕事のこと』と。その時は誤魔化したんですけど、もう一回聞かれたんです。さすがに私ももう認めて『こういう名前でやっています』と、すべて白状しました」
——娘さんはなぜ知っていたのでしょうか。
「いつ、なぜバレたのかについては、今も教えてくれません。でも、小学生だったあの時期だから、好奇心もあって、率直に聞いてくれたんだとは思います。思春期に入ってからバレていたら、娘は黙っていたかもしれませんね。成人したくらいで『実はずっと知っていた。本当は辛かった』なんて言われるパターンを考えていました」
——かなり想定外だったわけですね。その後、友田さんの仕事のことについて、娘さんが言及したことはありますか?
「娘がお友達の女の子に私の写真を見せたことがあるんです。そしたらその子が『私、この人のこと知ってる』って言ったらしいんですよ。なんでも私のSNSをフォローしていて、前々から私のファンだった、と」
——なんですか、その奇跡的な偶然!
「その子にとって、私は救世主みたいな存在だったらしいです。事情はよくわからないけれど、私のことを心の拠り所にしてくれていたみたいですね。結果的にそのお友達が“友田真希”をすごくポジティブなものにしてくれて、娘が『お母さん、凄いんだね』と言ってくれるようになりました。
でも、その後はお友達の何人かに私の話をして引かれるといった経験をしています。かなり凹んだ日もあるみたいですね。それでも、何かあれば絶対に私に話をしてくれる。娘のメンタルの強さにとても助けられていると実感しています」
——娘さんが巣立った後の生活については考えていますか?
「想像もできないですね。いなくなられたら困りますよ。絶対に寂しい。いなくなってから『これからどうしよう……』ってなると思います。でも、娘自身は『結婚はしない。お母さんのために家を購入するのが目標』と言ってくれているので、その実現を期待しています(笑)」
◆「辞める」とは絶対に言わない

「そうなんです。私もキャストとしてお店に立っていますよ。今年で53歳なんですけど、女優業も含めてまだまだ現役で頑張っていこうと思っています」
——女優業はいつ頃まで続けるつもりですか?
「とにかく続ける、ということしか今は考えていないですね。それに私は『辞める』って絶対に言わないと決めているんですよ。一度引退してからの復帰なので、必要以上にファンの皆さんやスタッフさんたちをザワつかせてしまいそうで……」
——「もしかしてまた復活するかも?」みたいな、あらぬ憶測を生みそうではありますね。
「でも、言葉として言わない代わりに急に消えることはあるかもしれない。その時は何かあったんだと察してください(笑)」
——例えば、病気を患ったり?
「そうですね。もしも病気になったとして、さすがに闘病のことまで曝け出すのは難しいかな、と思っています。“友田真希”が公(おおやけ)のものという意識は持っているんですけど、どこまで発信するべきかの線引きはしておかないといけないですよね」
——そういえば、最近の友田さんのSNSはわりとプライベートな話を控えているような印象があります。
「SNSには娘の監視が入っているんで、ヘタなことを投稿できないんですよ。前に人間ドッグのことをチラっと書いたら、すぐに『ちゃんと予約したの?』と聞かれてしまいました(笑)」
——お母さんの体のことまで気遣える、本当にいい娘さんじゃないですか。
「でも、健康面や体力面は、もう五十路も超えたのでどこまでが限界なのかはわからないですね。ここまできたら撮影現場で人生を終えてやろうかとも思っています。スタッフさんたちに看取ってもらおうかな。迷惑すぎるけど(笑)」
——それはスタッフさんたちが困っちゃいますよ(笑)。
「それくらいの覚悟をもって、この仕事に挑んでいると思っていただければ。来年にはデビュー25年目に入るので、この機会に何かしら大きなことができないか構想中です」
——ありがとうございました!
<取材・文・撮影/もちづき千代子>

