◆貯金や投資とは無縁の生活を送っていたが…

「私は国立の看護学部を卒業後、’12年に美容クリニックで看護師として働き始めました。当時は美容業界がバブリーな時期で、年収は最高で700万円くらいもらっていたと思います。2か月に1回のペースでボーナスが出ていたこともあって、美容代に年数百万円は使っていました。今にして思うと、貯金や投資とは無縁の世界でしたね(笑)」
そんな華やかな生活を送っていた金子さんが投資を始めたのは’17年ごろだったという。
「以前から投資に興味があったものの、なかなか学ぶ時間が取れなくて……。1人目の子供の育児休暇中の空いた時間を利用して勉強しようと思い、本屋で手にしたのがインデックス投資の本でした。当時はインデックス投資が今ほど知られていませんでしたが、これなら知識ゼロでも貯金感覚で気軽にスタートできると考えて、毎月コツコツ積立を始めました」
◆天職だった美容クリニックを退職
投資は堅調だったというが、仕事には大きな変化が生まれる。「2人の子育てと家事、仕事を両立させるのが大変で、ある日体調を崩してしまい……。このまま職場に復帰するのは難しいと考えて、8年間お世話になった美容クリニックを退職することにしました」
金子さんが退職した‘20年は、折しも新型コロナが流行し始めた時期。金子さんは育児に専念し、‘21年頃から個人事業主として美容関係の仕事を再び始めた。
「化粧品のセットをインターネットで販売したり、コロナが落ち着いてからはサロンを開いたりしましたね。今も続けていますが、投資に注力しているので、新規のお客さまは取っていません。既存のお客様を相手に細々と続けているので、美容クリニックで働いていた時と比べても収入はほとんどないんですよ」

