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高市連立政権から外れた国民民主党・玉木代表はなぜ「総理大臣になる覚悟がある」を揶揄されるのか/倉山満

高市連立政権から外れた国民民主党・玉木代表はなぜ「総理大臣になる覚悟がある」を揶揄されるのか/倉山満

◆高市内閣を長期政権にさせる簡単な方法

 ところで、高市内閣を長期政権にさせる簡単な方法がある。

 自分を支えてくれる勢力の既得権を侵さない。ほどほどの景気回復で済ませる。野党第一党には、思いっきり愚かに振舞ってもらう。

 まず高市政権を支えている勢力には、増税派もいる。消費減税などもってのほかだ。その筆頭が、後見人の麻生太郎自民党副総裁。高市首相に麻生派を敵に回す覚悟があるか。だから消費減税以外の微温的な経済政策でお茶を濁す可能性がある。そんなときに、野党第一党が「いつものパヨク」ならば、「まさか、あんな連中に政権を渡すわけにはいかない」となる。結果、高市政権を生ぬるいと思っている国民すら、自民党を支持せざるを得ない。

 むしろ、「無能で腐敗した野党第一党とパヨク」は自民党に都合が良い。高市自民党御用言論人は、さっそくパヨクを煽り始めている。絶対に負けない相手との喧嘩で商売する気、満々だ。

◆政党の党首が「総理大臣になる覚悟がある」のは当たり前

 そんな「ヌルい高市長期政権で商売をしよう」としている連中の目の上の瘤が、玉木雄一郎国民民主党代表だ。マスコミでもSNSでも、揶揄の声が溢れている。「ホップ、ステップ、肉離れ」だの、「肝心な時に判断を誤った」だの。挙句の果てに「総理大臣になる覚悟がある」を失言扱い、「財務大臣で入閣するチャンスだったのに」と批判する声すらある。

 しかし、今回の玉木代表の態度を立派だったと弁護する声、私くらいか?

 そもそも政党の党首が「総理大臣になる覚悟がある」のは当たり前ではないか。自分の党の代表がいるのに、幹部が「野田ではまとまるものもまとまらない」「野田首班にはこだわらない」などと外で公言する、立憲民主党の方がはるかに問題ではないか。

 そして、この発言だけを切り取るのは不当で、その直後に「だからこそ基本政策の合意を求める」と続けているのに、そこは報じない。面白がって、安住淳立憲民主党幹事長の「政治の世界では数合わせは当たり前」のような発言ばかりを報じる。


配信元: 日刊SPA!

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