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〈配当重視〉の株式投資は長続きしない?アマゾン、マイクロソフト…成功企業が無配当でも支持される「納得の理由」

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株式投資の世界では毎日の株価変動に一喜一憂し、ときに損切りのために「狼狽売り」をする人も少なくありません。一方、株式の売買で短期的な儲けを狙うのではなく、長期にわたって戦略的な投資を行うことにはどんなメリットがあるのでしょうか。本記事では、ファンドマネージャーの奥野一成氏が、オーナー型株式投資のリターンの源泉である「企業の稼ぐ力(EPS)」について解説。多くの投資家が好む配当に関しても触れています。

オーナー型株式投資は「プラスサムゲーム」

本記事では、あらためて「売買型株式投資」と「オーナー型株式投資」という2つの投資手法の違いを本質的な切り口で対比してみましょう。この2つの「投資」概念は、考え方においては全く異なるものであるにもかかわらず、「株式を売買する」ということにおいて、表面上は同じに見えるために、その違いを本質的に説明することは意外と困難です。

同じような楕円形(だえんけい)のボールを扱う球技でもラグビーとアメリカンフットボールが全く異なるものであるにもかかわらず、ルールを知らないで観戦している人にとっては、なんとなく同じように見えることにも似ています。3つの切り口で対比して考えてみましょう。

まず、重要になるのは、ゼロサムゲームとプラスサムゲームの視点です。売買型株式投資は、限られた利益を巡って市場の中で他者と競い合う構図です。誰かが利益を得れば、その裏側で誰かが損をするというゼロサムゲームの性質を持ちます。

ゼロサムゲームの世界での投資家は相場の需給や価格変動を見極め、いかに他者よりも早く、正確に売買を行うかが鍵になります。SNS等で多く見られる「マウント」は相対的な資産や勝敗の優劣を競うところから発しているわけですが、多くの人たちは投資をゼロサムゲームとして捉えていることの証左です。

一方で、オーナー型株式投資は、投資先企業が紡ぎ出す将来の利益を源泉とするプラスサムゲームです。企業が長期的に利益を積み重ねることで全体の富が増大し、その成長を投資家全員が共有することができます。ここでの勝負は他者との競争ではなく、どれだけ優れた企業を見極め、長期にわたって信じて投資できるかにかかっているのです。

オーナー型株式投資のリターンの源泉は、企業が稼ぐ利益(EPS)増大

株価とは、「EPS(1株当たり利益)×PER(株価収益率)」という極めてシンプルな式で決定されます。おおまかに説明するなら、EPSは企業の本質的な稼ぐ力を示し、PERはその利益に対する市場の評価を表しています。多くの人は株価を「市場の気まぐれ」や「外部要因の産物」と捉えがちですが、実際にはこの二つの要素の掛け算にすぎません。

短期的にはPERの変動によって株価は大きく動きます。市場の楽観や悲観、金利、為替(かわせ)、地政学リスクといった複雑な要因が絡み合い、PERの水準を押し上げたり押し下げたりします。しかし、こうしたPERの変動は予測困難であり、しかも通常はEPSの質を反映して、あるレンジ内(たとえば10倍から25倍程度)でしか動きません。

この前提に立てば、長期的な株価の決定要因は、結局のところEPSの持続的な成長に尽きると言えます。中短期的な株価は、市場要素(PER)を反映して激しく揺れ動くものの、それは単に市場の期待を反映したものに過ぎず、長期的な株価というものは最終的にはEPSの成長のみを表象するということです。

つまり、企業の株式を保有するということは、その企業が将来にわたって紡ぎ出すEPSという果実に対するオーナーになるということに他ならないのです。
 

[図表1]株価の計算式とPERの分岐

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