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〈配当重視〉の株式投資は長続きしない?アマゾン、マイクロソフト…成功企業が無配当でも支持される「納得の理由」

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オーナー型株式投資家が意識すべき「企業の稼ぐ力」

とくに強調したいのは、売却判断において「あなたがこれまでいくら投資してきたか」は全く関係ないと考えるべきであるということです。売買型株式投資家がよく陥るのは、「自分が買った価格より上がったから売る」「損失が出ているからとりあえず塩漬けにする」といった「PL発想」に基づく判断ではないでしょうか。

しかし、オーナー型株式投資家が意識すべきなのは、自分が儲(もう)かっているのか損しているのかではありません。重要なのは、「その企業がこれからも複利的に稼ぎ続ける力を有しているかどうか」です。

株価がたまたま上がっても、企業の稼ぐ力が衰えていれば、それは単なる市場の気まぐれに過ぎません。逆に、一時的に株価が下がっても、強固な事業基盤があり優れた経営陣がいる限り、あなたの持つ所有権の価値は時間とともに育ち続けるのです。

オーナー型株式投資家が株式を売却する合理的な理由は、主に二つに限られます。

一つ目は、その企業の持つ経済性が損なわれたとき。競争優位性を失ったり、経営陣が信頼できなくなったり、事業環境が大きく悪化した場合は、どれほど長期保有を旨としていても、売却するべきです。なぜなら、複利成長の源泉である「稼ぐ力」が失われたなら(プラスサムゲームでなくなる)、その企業に資本を預ける意味がなくなるからです。

二つ目は、あなた自身が現金を必要とする状況になったときです。教育費、住宅購入、医療費など、人生の大きな支出に備える場合、大学院進学や留学、必要な資格試験のための支出など、資産の現金化はやむを得ないでしょう。

また趣味や旅行など人生の楽しみのためには躊躇(ちゅうちょ)せずにお金を使うべきです。なぜなら人生はお金を貯めるためにあるのではなく、楽しむためにあるからです。「使うべき時に使う」ために運用しているのに、それを使えないのであれば全く意味がありません。

しかし、この二つ以外の理由、特に「自分の買値より上がっているから(儲かるから)」という理由で売却を検討するのは、オーナーとしての本質を見失う行為です。「あなたがいくらで買ったか」は、あなたが保有する企業価値にとって一切関係がありません。

それはあくまであなた個人の過去の取引記録であり、未来の価値創造には何の影響も及ぼさないからです。売買型株式投資の世界では簿価が「勝敗」を決める指標になるかもしれませんが、オーナー型株式投資では、そんな短期的な損益計算は重要ではないのです。むしろ、そうしたPL発想を捨てることで、長期での複利効果という最大の武器を最大限に活用できるのです。

保有を続けるオーナーに微笑む「複利の魔法」

では、なぜ多くの人は、長期での複利成長に耐えきれず、短期的な値動きに振り回されてしまうのでしょうか? 理由は単純です。短期的な株価変動は目に見えて分かりやすく、即時的な報酬をもたらすからです。図表4の通り、株価は利益(EPS)の「影」であり、利益(EPS)は事業の経済性の「影」に過ぎません。

たとえ株価の上下に見舞われても、それが本質的な企業価値の変化を正確に反映しているとは限りません。あなたが真に向き合うべきは、「その企業が今後も稼ぎ続ける力を持っているか」という一点だけなのです。

つまり、「時間は複利の最良のパートナー」ということができます。短期的な値動きに踊らされて株を手放すことは、未来の自分が得られるはずだった膨大な果実をみすみす捨てるようなものです。

企業が利益を積み上げ、その利益が再投資される限り、あなたの取り分も年々大きくなります。株式市場は、辛抱強いオーナーに最も大きな報酬を与える場とも言えます。

あなたが眠っている間も、旅行をしている間も、その企業は働き続けながら世の中に価値を提供しています。「複利の魔法」は、諦(あきら)めずに保有し続けたオーナーにだけ微笑むのです。

[図表4]事業の経済性・利益・株価の関係

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