◆彼の表情が「真剣そのもの」だったから…
突然の意味不明な依頼に、ネタなのか本気なのか分からなくなっていましたが、表情が真剣そのものだったことでさらに動揺してしまいました。「私は『またまた~(笑) なに言ってんの!』と笑ってごまかしていました。実際、事故に遭うことも怖かったのでそんなことはできないとはっきりと伝えました。しかし、彼の口調も徐々に強さを増してきて『本当に!お願い!』と、ガチトーンで懇願された時はかなり引きましたね。ズボンを脱ぎだすんじゃないかと(笑)」
◆なんとかサービスエリアで休憩をするものの……
平田さんはとっさにサービスエリアに寄りたいと提案し、車内という狭い空間から脱出することに成功しました。「彼もすぐにトイレに行っていたので『トイレに行きたくて気を紛らわせていただけかな?』と少し安心しました。その後、おみやげを見たりグルメを食べたりしてさっきまでの出来事をなかったことにしたかったのですが……」
30分近くリフレッシュし、車で帰宅を再開すると……
「そこから帰路につくまで、また『触って』コールがはじまって、そこからはほとんど押し問答状態。私も面倒くさくなってきて、なんとか拒み続けて無事帰宅できました。家に帰った頃には、余計なことに気を使う羽目になり旅の疲れを忘れてしまうほどくたくたに……。
家の近くまで送ってくれたのですが、明らかに不機嫌でした。恐らく、希望に応えなかったことが気に食わなかったのではないでしょうか。私の方も、彼を恋愛対象として見られなくなってしまいすっかり冷めきってしまいました」
旅行の2日後、あっさり別れることにした平田さん。運転時にはどうしても“素”が出やすいといいます。普段なかなか見ることのできない相手の様子を知ることができて、むしろ良かったのかもしれません。
<TEXT/萩ゆう>
【萩ゆう】
住むところは中国地方や関西など、全国各地を転々と暮らすWebライター。温泉メディア、女性メディアなどで執筆中。特技はマラソンでフルマラソン3時間ギリの記録をもつ

