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「孤独死が起こった現場の清掃」だけではない、特殊清掃業者の仕事内容とは?ペットの死体処理をすることも

「孤独死が起こった現場の清掃」だけではない、特殊清掃業者の仕事内容とは?ペットの死体処理をすることも

◆飼い主の死後、ペットは……

飼い主の死後
飼い主の死後、ペットは……(画像提供:ブルークリーン)
「あと変わった現場ですと、ペットを飼っている現場での孤独死です。動物たちが生きているパターンも多く、そういう場合は保護します。

本来、警察が現場検証をした時に犬などのペットが生きている場合は見つかるはずなのですが、猫などの警戒心が強い動物だと隠れていて見つからない場合があります。その際は特殊清掃に入った時にベッドの下から突然現れたりして驚くことがあります」

孤独死の現場でペットが飼い主と一緒に死んでいる現場も何度か経験したようだ。

「孤独死が起きて、飼い主が亡くなっている部屋以外でペットが死んでいる現場もありました。ペットは死んでしまうと、一般廃棄物、すなわちゴミとして分類されるんです。なので、不動産屋さんや自治体などに頼んで、遺族の方に連絡してもらわなくてはいけません。見積もりの段階だと遺体のある部屋だけの清掃だったのですが、他の部屋でペットが死んでいたとなると、そこの清掃も必要になるので、費用が割高になってしまうこともありました。人間の孤独死による特殊清掃と、ペットの死体による特殊清掃では手段が若干異なり、使う薬剤が若干違うので、金額も高くなりがちです」

飼い主の死後
ペットの場合は人間とは違いアンモニア臭がするため、作業工程が変わるようだ。

「腐敗臭やアンモニア臭、糞尿臭を落とすというときの薬剤が違うんです。段階を分けることによって一緒に効くような薬剤もあるんですが、順序立てて対応していかなくてはいけないので、その分作業がややこしくなります」

◆“バイオリカバリー”たる所以

他にもバイオリカバリーという観点での変わった作業もある。

「外国人の方が住んでいた家で、退去した後もスパイスの臭いが取れないといった現場もありますね。他にも香水の臭いが取れないとか、臭いに関する問題は多いです。基本的にはオーナーさんが試行錯誤して臭いを取ろうとしたが無理だったという現場ばかりなので、一癖ある臭いの染み込み方なのです。薬剤を天井、壁、床全体に噴射して浸透させて、化学反応を起こして効果を待ったり、ひどい場合は壁紙を剥がさないといけない時もあります」

前に住んでいた人の病気による臭いがこびりついてることも。

「住人の足が壊死して膿が出ていて、その膿をフローリングが吸ってしまって臭いがきついのでなんとかしてくれ、とかもあります。他にも住んでいる人からの依頼で、体臭が染み込んでしまって臭いが取れないのでなんとかしてくれといった現場です。汗や皮脂が原因なのですが、過剰な分泌は何かしらの病気ですね。このように、遺体清掃のような作業だけではなく様々な現場があるので、我々の業務としては特殊清掃というよりはバイオリカバリーの方がしっくりくるのです」

<取材・文/山崎尚哉>

【特殊清掃王すーさん】
(公社)日本ペストコントロール協会認証技能師。1992年、東京都大田区生まれ。地元の進学校を卒業後、様々な業種を経験し、孤独死・災害現場復旧のリーディングカンパニーである「ブルークリーン」の創業に参画。これまで官公庁から五つ星ホテルまで、さまざまな取引先から依頼を受け、現場作業を実施した経験を基に、YouTubeチャンネル「BLUE CLEAN【公式】」にて特殊清掃現場のリアルを配信中!趣味はプロレス観戦
配信元: 日刊SPA!

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